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2019-12-11 2019-12-20

韓国の教育の特徴・制度は?激しい大学受験競争、”学歴社会”となった歴史

韓国は、世界的に学歴社会として知られている国の1つです。

国際的な学力調査で好成績を収めていることもあり、韓国の教育制度に関心をお持ちの方も多いと思います。

この記事では、韓国の教育の特徴や日本との違い、教育制度の歴史などについて説明します。

韓国の教育の特徴

公立の小中学校は原則無償

韓国の教育は、日本と同じ6-3-3-4制の教育課程です。

日本同様に、公立小中学校の教育費用は原則無償です。地方によっては教材費や給食費も無償となっています。

教育課程は政府が決める

カリキュラムは、政府の教育部が日本の学習指導要領にあたる「教育課程」で定めています。

義務教育終了後は、

  • 一般高校
  • 特殊目的高校
  • 特性化高校

のいずれかの高校に進学します。

高校進学率はほぼ100%で、そのうち一般高校が70%を占めます。

一般高校は、学区内の学校から抽選で決定されます。

戦争ともいわれる大学受験競争

大学入試では、

  • 修能(スヌン、日本のいわゆる大学入試センター試験)」の成績
  • 推薦入試やAO入試など、各大学の独自の「随時入試」の成績

のいずれかの成績を元に行われます。

スヌンは、例年11月中旬の木曜日に実施されます。

スヌンは韓国の社会現象となっており、この時期になると日本でもニュースとして取り上げられます。

例えば、

  • 遅刻しそうな受験生の白バイやパトカーによる受験会場への送迎
  • リスニング試験時間にはクラクションの禁止、飛行機の離着陸時間の調整

など、国を挙げてスヌンが実施されます。

ICT教育が進んでいる:学校でコンピュータを使う生徒は日本の約2倍

近年の勧告では、ICT教育事業が展開されています。

文部科学省が公表している「教育の情報化の現状と今後の方向性」によれば、韓国の生徒が学校で「ほかの生徒と共同作業をするためにコンピュータを使う頻度」は、日本と比較して約2倍多いです。

韓国と日本の教育の違い

外務省の「諸外国・地域の学校情報:韓国」を参考に、韓国と日本の教育制度を比較したものが以下の表です。

韓国 日本
学校制度 6-3-3-4制 6-3-3-4制
義務教育期間 満6歳~満15歳 満6歳~満15歳
学校年度 3月1日~2月末日 4月~3月
学期制 2学期制 3学期制

韓国の就学前教育を提供する機関としては、日本と同じように幼稚園があります。

韓国にある幼稚園は対象年齢3歳~小学校入学までで、授業料・保育料は無料です。

韓国の義務教育以降の進学状況は、2017年時点で、高等学校進学率99.7%、4年制大学進学率70.8%です。

日本と韓国の教育の共通点としては、学問を重視する学歴社会の風土が残っている点が挙げられます。

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韓国の教育の歴史

韓国は戦後アメリカの統治下にあったことから、日本同様の6-3-3-4制となりました。

1984年に義務教育年限が6年から9年に延長されました。

中学1~3年生に関しては無償への移行が段階的に行われ、2004年以後教育費用が完全無償となりました。

韓国の教育行政は、1990年代まで中央集権的に国が統括していました。

地方に設置された教育委員会は、事実上の国の出先機関となっていました。

1989年の地方自治法・1991年の地方教育自治に関する法律の制定によって、学校の設置管理などの教育事務が地方自治体の裁量に任されるようになりました。

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韓国の教育の成果

学力重視の風潮がある韓国では、国際的な教育調査で高い成績を残しています。

以下で、TIMSSやPISAなどの調査における韓国の成果を紹介します。

TIMSS2011で50か国・地域中1位など上位の成績

国立教育政策研究所のまとめた「算数・数学及び理科の到達度に関する国際的な調査(TIMSS)」によると、韓国の調査結果は以下の通りです。

算数・数学 理科
小学校 中学校 小学校 中学校
1995年 2位 2位 1位 4位
1999年 2位 5位
2003年 2位 2位 1位 3位
2007年 2位 4位
2011年 2位 1位 1位 3位
2015年 3位 2位 2位 4位

韓国は1995年以降、全ての項目で5以内にランクインしています。

PISA調査「読解力及び数学的リテラシー」で第7位

国立教育政策研究所のまとめた「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」によると、韓国の調査結果は以下の通りです。

読解力 数学的リテラシー 科学的リテラシー
2000年 6位 2位 1位
2003年 2位 3位 4位
2006年 1位 4位 11位
2009年 2位 4位 6位
2012年 5位 5位 7位
2015年 7位 7位 10位
2018年 9位 7位 7位

PISAは、2000年に開始した国際的な学力調査です。

韓国は調査開始当初から直近の2018年まで、全ての項目でほぼ毎回トップ10にランクインしています。

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韓国の英語教育

ここでは、韓国の英語教育必修化における背景や概要、近年の動向などについて説明します。

1997年から小学校で英語教育必修化

韓国では、1997年度から小学校3年生から英語が必修化されています。

小学校3年生では週2時間、6年生では週3時間の授業が行われます。

1994年に韓国が世界貿易機関に参画したことを契機に、グローバル化への対応として初等学校における英語必修化が提案されました。

その後、教育部が「初等学校における英語教科新設のための教育課程改善計画」を発表、保護者からの強い要望などもあったことから、1997年に英語が必修化されました。

英語の早期教育が加熱し、児童の負担が肥大化したため、2018年3月ごろからは小学校1・2年生の英語の課外授業の廃止が検討されています。

韓国の英語教育を提供する「英語村」

韓国の英語教育を提供する機関としては「英語村」があります。

国が運営するパジュ英語村は、学校の校外学習施設や、アジア諸国からの留学生の受入施設です。

2006年に設立され、実践的で効果的な英語プログラムを提供しています。

韓国の英語教育の成果

国際的な英語能力の比較調査「EF EPI(英語能力指数)を元に韓国の英語教育の成果を説明します。

EF EPIは、日本法人イー・エフ・エデュケーション・ファーストジャパン株式会社が発表している、世界88の国・地域で130万人の英語テストデータによって順位付けされたものです。

「EF EPIのレポート」によると、韓国の直近5年間の推移は以下の通りです。

韓国の順位 (参考)日本の順位
2015 27位 30位
2016 27位 35位
2017 30位 37位
2018 31位 49位
2019 37位 53位

韓国は30位前後で推移しており、直近の2019年には37位となりました。

88の国・地域で比較していることを考慮すると、韓国は標準的な英語力であると言えます。

参考までに、日本の順位は年々下がっており、韓国との差は徐々に広がっています。

GTEC for Students(絶対評価型の英語テスト)

ベネッセコーポレーションは、GTEC for Students(絶対評価型の英語テスト)を2003・2004年度に、日本・韓国・中国の3ヵ国で実施しました。

「文部科学省 韓国における小学校英語教育の現状と課題」によると、結果は以下の通りです。

TOTAL Reading Listening Writing
韓国 408.6→448.6(+40) 185.3→195.1(+9.8) 168.5→187.4(+18.9) 54.8→66.0(+11.2)
日本 400.1→408.0(+7.9) 162.1→164.0(+1.9) 155.0→158.4(+3.4) 83.0→85.5(+2.5)
中国 438.2→453.5(+15.3) 185.8→193.0(+7.2) 164.2→173.0(+8.8) 88.2→87.6(-0.6)

2004年の点数で比較すると、韓国は3ヵ国の中でリーディングとリスニングは最も高く、ライティングは最も低いです。

前年度調査と比較した点数の上り幅は3ヵ国の中で韓国はどの項目においても最も大きいことが分かります。

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まとめ

  • 韓国の教育課程は日本と同じ6-3-3-4制
  • 韓国は学歴社会で大学受験競争が激しい
  • PISAやTIMSSでは毎回好成績を収めている

韓国では近年、学歴社会から離脱しようと考える人々と反対する人々に分かれて教育政策の議論がなされています。

政府がどちらの方針に舵を切っていくのか、教育関係者や保護者からの関心が集まっています。

世界の教育制度中国 韓国 シンガポール フィンランド スウェーデン アメリカ オランダ

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