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2018-10-12 2023-09-22

教員の転職が難しい理由と成功のコツを教育業界専門の転職エージェントが徹底解説

「教員の転職は難しい」と聞いたことがありませんか?

なんとなく聞いたことはあるけど、その理由やできる対策については知識のない方も多いのではないでしょうか。

弊社は教育業界に特化した転職エージェントを運営しています。その中で、多くの教師・教員の方の転職の支援をしてきました

面談ベースでは年間数百名の教員の方と面談しています。

中途採用を行っていらっしゃる企業様(通信教育・各種スクール・学習塾・教材制作会社等)との付き合いも多くあり、教員の転職市場での評価・評判も伺うことが多いです。

そういったリアルな最新情報と豊富な実績を基に、なぜ教員の転職は難しいと言われるのか、もし転職したい場合どうすべきなのかをまとめています。

  • 教員から転職して年収は上がるのか?
  • 教員のビジネススキルは民間企業でどう評価されるのか?
  • 結局どういう企業へ転職するのがいいのか?

などを知り、最後まで読んでいただくと、教員の転職に向けての基本的な知識が身につくようになっています。

教員からの転職は本当に難しいのか?

教員の民間企業への転職が難しいのは事実です。

何と比較するのか、その方の経歴やスキルなど個別事情であることは間違いありませんが、教員に対する転職市場の評価は決して高くありません。

教員の転職が難しい大きな理由を以下にまとめています。

教員から転職する人は増加している

ただそれは「教員が転職出来ない」という意味ではありません。

実際に、教員で転職している人は増加傾向にあります。

文部科学省の教員統計調査からも転職者数が増えていることがわかります。

離職者数と割合(定年以外)

公立小学校 離職者数 転職者数 転職者割合
平成21年度 16,451 1,289 7.8%
平成24年度 18,020 1,318 7.3%
平成27年度 17,649 1,501 8.5%
平成30年度 16,619 1,715 10.3%
令和3年度 14,973 2,083 13.9%
公立中学校 離職者数 転職者数 転職者割合
平成21年度 8,138 1,021 12.5%
平成24年度 8,700 1,019 11.7%
平成27年度 8,280 1,142 13.8%
平成30年度 9,059 1,217 13.4%
令和3年度 8,448 1,277 15.1%
公立高等学校 離職者数 転職者数 転職者割合
平成21年度 5,756 335 5.8%
平成24年度 6,331 445 7.0%
平成27年度 5,340 454 8.5%
平成30年度 5,246 559 10.7%
令和3年度 5,580 640 11.5%

上記表では、離職者には転職以外の理由も含まれるため、離職者のなかで転職者がどれぐらいいるかを集計しています。

データが確認できる平成21年度から令和3年度にかけてそれぞれ、

  • 小学校教員は転職者数794人増加、離職者における転職者の割合は7.8%→13.9%に増加
  • 中学校教員は転職者数256人増加、離職者における転職者の割合は12.5%→15.1%に増加
  • 高校教員は転職者数305人増加、離職者における転職者の割合は5.8%→11.5%に増加

となっており、転職を理由に離職する教員が徐々に増えていることがわかります。

上記の調査は公立の学校からの教員のデータなのであくまで参考です。

正確なデータはありませんが、公立の教員は公務員で転職に対してネガティブ、慎重な方が多いため、私立の教員の方が転職される率が高いと思います。上記よりも転職される方は多いといってよいでしょう。

▼参考
・文部科学省「令和元年度学校教員統計調査
・文部科学省「教員の勤務時間管理、時間外勤務、適切な処遇の在り方
・文部科学書「文部科学統計要覧(令和3年版)
・総務省「令和3年度 地方公務員の退職状況等調査

教師・教員の平均年収まとめ!小中高校の教師と大学教授の年収を解説

教員からの転職を考えるきっかけ

教員が転職を考えるもっとも大きなきっかけは、その忙しさです。

教員は通常の授業準備に加え、新学習指導要領やICT教育など、新たに対応しないといけないこともたくさんあります。

さらに保護者対応や、部活動のため休日も勤務時間が発生することもあります。

こうした業務に追われる忙しさが教員が転職を考える最も大きなきっかけになっています。

また、上記に加え、

  • 年収(※絶対額ではなく勤務時間に見合った報酬)
  • 保護者・PTA・地域などへの対応によるストレス
  • 教員間の人間関係
  • 学校や児童・生徒を取り巻く環境
  • 休日・休暇の少なさ

こうした理由で転職を考える方が多いようです。

教員の転職が難しい理由は?

それでは教員の転職が難しい要因はなんなのでしょうか。大きく3つにまとめました。

年収が高い(転職市場の評価に比べて)

一般的に教員は給与面の条件的に恵まれています。

勤務時間が長い方は多いのですが、別のお仕事をされている同年代の方と比較した場合、絶対額の年収が高いことが多いです。

民間企業に転職する場合、未経験職種への転身になり、年収が上がることは多くありません。

そうした場合、転職に至らない方が多いです。特に20代前半よりも30代以降でこの傾向が顕著です。

※学校や契約形態に応じて、平均的な企業よりも厳しい条件の方もいらっしゃいますが、多くの方は比較的良い条件での勤務をされています。

転職の時期・タイミングが難しい

教員は業務の性質上、3~4月以外での転職がしづらいことも理由の一つです。

特に担任を受け持っている場合、年度の途中では容易に退職できるものではありません。

中途採用は、新卒採用と異なり、「来年4月の採用」といったことは少なく、多くの募集が出来るだけ早く来てほしいと考えています。そのため、入社出来るタイミングでチャンスを逃してしまうことがあります。

一方で、年度の変わり目になる3~5月は教員の転職希望者が多く、倍率が高くなるため、希望の企業への入社難易度が高くなります。

・関連記事:教員・教師・学校の先生におすすめの転職活動のスケジュール

ビジネス経験が乏しい(スキルが不足しているとみなされる)

前述した要因もありますが、この要因が最も大きいです。

教員(民間企業での就業経験がない方)はビジネス経験がなく、企業からの評価が高くありません。

教員が転職市場で評価されない理由「ビジネス経験の不足」とは

教員の転職が難しいと言われる理由で挙げた、「ビジネス経験が不足している」とはどういう意味なのか、詳細を4つに分け解説します。

ビジネス上の成果を追求した経験が乏しい

ビジネスでは、売上や利益、各種事業上のKPIなどを明確に定め目標として追いかけます。

営業職では新規顧客や売上で明確に数字が評価されます。教育業界の例えば学習塾でも、入会した生徒の数や合格実績など指標は明確にされることがほとんどです。

一方で、学校の教育現場では、売上や利益などの数値的な明確な目標を持っていないことが多いです。

面接や職務経歴書でも、「生徒の笑顔」、「教室の雰囲気」など、成果としづらい部分をアピールされる方がいらっしゃいます。

そのため、ビジネスで求められる成果を追求するための行動、スタンスが身についていないと評価されてしまうことがあります。

特に営業職や、明確に数値目標を持った職種では敬遠されてしまうことが多いです。

コミュニケーションスタイル

また、ビジネス上のコミュニケーションに難があると評価されてしまう傾向もあります。

  • 要点をまとめる
  • 結論から話す

といったビジネスで求められるコミニュケーションスタイルが身についておらず、説明が冗長といった評価を受ける方が多いです。

また、業務のコミュニケーション相手が子供中心のため、返事が「うん、うん」といった癖がついてしまっている方もいらっしゃいます。

顧客とのコミュニケーションが発生する仕事では、致命的な評価になってしまうことがあります。

ITリテラシー

個人差は非常にありますが、ITリテラシーも企業が要望する基準に満たないことが多いです。

学校によっては個人のパソコンがないこともあり、一定水準のITスキル(PCスキル)をお持ちでない方もいらっしゃいます。

多くの企業では、Office関連、メール、各種クラウドサービスを当然のように利用されており、こうしたものに抵抗がある場合、評価されづらいでしょう。

受け身のスタンス

企業が中途採用を行う理由は、その方が会社の業績に貢献して頂ける可能性があるからです。

選考の場では、今までの経験やスキルでどのように貢献できるかを判断されているとも言えます。

こういった前提がありますが、教員にはご自身から何かを提供するのではなく、「会社から学ばせてもらう」「身につけさせてもらいたい」という発想をする方も多く、評価を頂けないかたが多いです。また、こうしたスタンスでは仮に転職出来たとしても、その後、活躍するのは難しいでしょう。

ご自身がどういった点で貢献する、その上でこういった経験・スキルを積みたいというスタンスであれば、企業も積極的に採用を考えられますが、受け身だけのスタンスの場合、採用に至りません。

教員が転職で成功するための4つのポイント

ここまで述べてきたように、教員が転職する場合、課題となることが多くあります。

ただ実際に、多くの教員が転職をしていますし、不可能なわけでは決してありません。

ここでは、教員が転職するための4つのポイントを説明します。

転職によって得たいものを明確にする

ご自身がなぜ転職したいのか、転職によって得たいものをはっきりさせましょう。

教員に限ったことではありませんが、全ての条件(給与、勤務時間、仕事内容など)に満足できる仕事はほとんどありません。

すべての条件を満たす求人を探し続けても、ほとんどの場合、転職活動はうまくいかないでしょう。

すべてを求めるのではなく、転職によって得たいものをはっきりさせましょう。

いくつか要素があるのは当然ですので、その中での優先順位や妥協できる条件を考えてみてください。

代表的なものは、

  • 仕事内容
  • 給料・年収
  • 休日
  • 勤務時間
  • 社風

などです。

こうした整理は1人で行ってもなかなかうまく出来るものではありません。

弊社にご相談いただければ、そういったご要望の整理、優先順位付けも行っております。

転職のタイミングを明確にする

いつ転職したいかを明確にしましょう。

転職活動以外でもそうですがあいまいな目標で「いいタイミングでいいところがあれば」という転職活動はうまくいきません。

特に教員の方は業務の特性上、転職のタイミングが限られます。

年度替わりで退職する、〇月に転職するといったスケジュールを決め、それに向けて転職活動をされるのがよいでしょう。

4月に転職をする場合、1月頃から書類選考を始め、1-2月に選考-内定というスケジュールがスムーズです。

転職したいタイミングの3ヶ月前くらいから書類選考を始めれば比較的余裕を持って転職活動が行えます。※不安な方はもう少し早い段階で始めて頂いてもよいかと思います。

身につけられるスキルは身につけておく

ITリテラシーに関しては、業務では使用しなくとも、個人で習得しておきましょう。

個人の趣味でも仕事でも構いませんが、Office関連や各種クラウドサービスを利用し慣れておくことが重要です。

専門的な技術を身に着けるのではなく、あくまで一般的なレベルが身について入れば、職種にもよりますが選考で不利になることは少ないです。

仮に利用する環境や必要性がないとしても、新しい知識やスキルを習得するマインド・姿勢は極めて重要です。

教育業界専門の転職エージェントに相談する

今までまとめたように、教員の転職活動は民間企業の方と異なる点が数多くあります。

個人や大手の転職エージェントを利用して転職活動を行うと、教員の転職活動特有の対策ができず、

  • 書類選考や面接の対策が不十分だった
  • キャリアや希望にあった求人やポジションの提示がない

といったことが起こる場合があります。

冒頭に述べたように弊社は、数多くの教員の転職支援の実績がございます。

そうした実績から具体的な選考のアドバイス等も可能ですので、ぜひご活用ください。

参考:教師・教員の履歴書・職務経歴書の書き方!例文・サンプル付!教育業界専門の転職エージェントが解説

教員からの転職成功体験談

弊社は教育業界専門の転職エージェントとして、多くの教員の転職のご支援をしてきました。ここでは実際に教員から、転職された方々の体験談をご紹介します。

一部を抜粋してご紹介しています。

私立高校教員からオンラインスクールの職員へ

Kさん(30歳男性)は私立高校の教員としてお勤めで、ICT化の推進担当としても活躍されていました。

一方で教員同士の意思統一が取れずなかなか思い通りに進まないことにもどかしさを感じていたそうです。

そんななか、ICT関連の事業者とコミュニケーションをする中で、変化の先端にたって仕事をする姿を非常に魅力に感じられました。

学校現場をよく知っている自分だからこそ出来ることがあるのではないだろうかと、ご自身も教員の経験を活かして、教育ICT関連の企業で働いてみたいと思うようになったそうです。

選考を受け始めると、教育現場にITツールやサービスを導入したいと考える事業者にとって、Kさんの現場感覚は非常に貴重なものと評価され複数のオファーを頂きました。

結果として、オンラインで運営される学校に入社され、年収は450→480万円に、休日数は少し増えたようです。

  • 転職理由:教育のICT化を学校外から推進したくなった
  • 年収:450万円→480万円(30万円アップ)

・関連記事:私立高校教員からオンラインスクール職員へ転職【30代男性/転職体験談】

家庭科の高校教員からプログラミングスクールへ

Iさん(20代後半女性)はの高校教員(家庭科)として勤務。

教員として働く中で時間がなく、「もっと勉強をしたい」という考え、退職を決意。

エンジニア×ベンチャー×人を大切にする企業をキーワードに様々な企業の話を聞きにいかれ、最終的にオンラインプログラミングスクール運営企業へ転職されました。

  • 転職理由:時間がなく、もっと勉強や自分のことに時間を使いたかった
  • 年収:320万円程度→380万円

中学校教員から通信制高校のカリキュラム企画職へ

Oさん(25歳)は公立中学校の教員として3年ほど勤務されていました。

業務の負荷(タスクの多さ・部活動などの負担)から教職を長くは続けられないと考え、転職を決意。

  • 教育関連の仕事に携わりたい
  • 休日をしっかり取れる、勤務時間が長すぎない
  • その代わり給与はある程度妥協できる

というのが転職活動の軸でした。

弊社からは事務や営業、教材制作関連の未経験で応募可能な求人をご紹介しました。

土日休み勤務で残業も少ない環境であること、専門性・スキルを高められそうであるという2点が決め手となり、年収はダウン(410→350万円)となりましたが、転職を決意されました。

・関連記事:公立中学校教員からカリキュラム企画職へ転職【20代女性/体験談】

教員の転職でEducation Careerを活用する4つのメリット

弊社は教育業界専門の転職エージェント「Education Career」を運営しています。

その中で多くの教員免許をお持ちの方の転職も支援してきました。ここでは、転職活動において弊社を活用頂くメリットをご紹介します。

①独自の求人やテーマに合わせた求人を紹介可能

教育業界専門の転職エージェントだから、他のエージェントでは積極的に紹介されないような求人(教材制作/学校営業/スクール運営/各種企画職)もご案内いたします

  • EdTech(教育×テクノロジー)
  • STEAM教育
  • グローバル人材育成
  • 社会人教育

などの関心領域に合わせてご提示することも可能です。

②面談を通した、個人にとってよりよいキャリアを提案

弊社では、弊社オフィスにお越しいただくか、電話/ビデオ通話等での面談を必須としています。

面談を通じて、

  • 教材作成や企画にチャレンジしたい
  • 年収をあげたい
  • 土日休みの仕事がしたい
  • 夜遅い勤務を日中勤務にしたい

といった要望、条件を伺った上で、よりよいキャリアの選択肢を提示するためです。

※ご紹介可能な求人はご経歴や、タイミング・時期によって変動いたします。状況によっては転職をおすすめしないこともあります。

③豊富な実績を元に、書類作成、選考対策をサポートします

  • 学校の先生/教員
  • 学習塾の講師や教室長
  • 各種の教材制作/編集
  • 教育関連業種での営業
  • ITエンジニア
  • 異業界から教育業界への転身

などなど多くの方々の教育業界での転職を支援しております。

出身の職種特有の書類の作成や面接対策も行っています。

教育関連の企業に興味はあるが、知識や経験がなくどのようにするべきかわからないという方は、弊社にご相談頂ければコツやポイントをお伝えします。

④利用は無料!相談=転職ではなく、中長期的なキャリア相談も可能

弊社のご利用は全て無料です。

また、転職相談・面談を行ったからといって、求人に応募しなければいけないわけではありません。

ご要望やタイミングに合わせて、転職活動の開始時期等もアドバイスさせて頂き、支援いたします。

今すぐではないが、今後考えているという方のキャリア相談も歓迎しておりますので、お気軽にご相談ください。

早期の活動開始と事前準備が転職成功のカギ!お早めに相談ください

ご自身が納得され、条件的にも満足出来るような転職活動を行うには、

  • 情報収集
  • 選考の対策

が欠かせません。

ただ弊社の感覚値、90%以上の方の準備が不足しています。

準備を行えば採用につながる可能性がある場合でも、準備不足によりお見送りになってしまうケースがあります。

転職エージェントを活用頂ければ、本人では気づきづらい、もったいないミスも避けることが出来ます

特に弊社は、教育業界における実績が多数ございますので、業界特有、個別の企業に対する対策を行えます。

ただ、高い品質での面談を行うため、面談数は限定で行っています。

面談ご希望の方は、出来るだけお早めに以下のフォームよりご相談ください。

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