2019-12-24 2024-09-03
ニュージーランドの教育の制度・特徴は?進学時のテスト”NCEA”や日本との違い
ニュージーランドは国際学力調査PISAで、主に読解力・科学的リテラシーの2分野において高い成績を残しています。
ニュージーランドの教育制度は日本と異なる点が多く、教育制度に関心をお持ちの方も多いようです。
この記事では、ニュージーランドの教育の特徴や日本との違い、教育制度の歴史などについて説明しています。
この記事の監修者
Education Career 編集部
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ニュージーランドの教育の特徴

ニュージーランドの教育課程は6-2-5-3制です。
日本の「○年生」は、ニュージーランドでは「Year○」と表します。
義務教育はYear11までで、初等教育は5~12歳(Year1~8)、中等教育は13~17歳(Year9~13)です。
ニュージーランドは日本とは異なり、義務教育課程であっても有償です。
公立学校は政府援助を受けていますが、学校理事会BOTによる独立採算制となっています。
そのため授業料ではなく寄付金として、年間200~300NZドル(約1万4,000円~2万円)を徴収しています。
4学期制の義務教育課程
ニュージーランドでは、5歳の誕生日に小学校に入学します。
誕生日になると個別に入学するため、日本の入学式のような文化はありません。
学期制は4学期制で、以下のように分けられています。
- 1学期:1月下旬~4月上旬
- 2学期:4月下旬~7月上旬
- 3学期:7月下旬~9月下旬
- 4学期:10月中旬~12月中旬
各学期の間には、2~3週間の休暇があります。
南半球のため12月~1月までは夏季にあたり、クリスマス・年末年始休暇が約1か月あります。
義務教育の基礎科目は、国語(英語)・算数・科学・技術・社会・美術・保健体育の7科目です。
言語は基本英語ですが、公用語の1つであるマオリ語で教える学校もあるようです。
教育内容は各学校の裁量が大きく、統一された教科書などはありません。
多くの場合、学校の先生が作成したプリントで授業を進めているようです。
近年では、Year7~8頃からパソコンを使用した授業を導入する学校が増えているようです。
高等教育への進学条件、全国統一テスト「NCEA」
高等教育に進学するには、全国統一テスト「NCEA(National Certificates of Educational Achievement)」を受験し、高校教育認定資格を修得する必要があります。
NCEAにはレベル1~3があり、以下のように各学年で必要なレベルが決まっています。
| year11でレベル1をクリア | year12に進級or工科大学・ポリテクニックのサーティフィケート課程に進学 |
| year12でレベル2をクリア | year13に進級or工科大学・ポリテクニックの準学士課程(Diploma)に進学 |
| year13でレベル3をクリア | 大学課程や工科大学・ポリテクニックの学士課程(Bachelor’s Degree)に進学 |
高等教育を提供する教育機関には、
- 高等技術専門学校
- 教員養成大学
- 総合大学(8校)
があります。
大学・技術専門学校はすべて国立です。
高校卒業もしくはNCEAレベル3を修得していない場合は、20歳以降から大学入学が可能です。その場合、
- 休学していたときの履歴書のようなものと入学希望の理由書を大学に提出する
- Bridging Cource(大学に入るための一般知識を学ぶ短期コース)を受けて合格する
のいずれかの要件を満たす必要があります。
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ニュージーランドと日本の教育の違い
外務省の「諸外国・地域の学校情報:ニュージーランド」を参考に、ニュージーランドと日本の教育制度を比較した表が以下です。
| ニュージーランド | 日本 | |
| 学校制度 | 6・2・5・3制 | 6・3・3・4制 |
| 義務教育期間 | 6歳の誕生日~16歳の誕生日 | 満6歳~満15歳 |
| 学校年度 | 1月30日~2月7日の間から1年間 | 4月~3月 |
| 学期制 | 4学期制 | 3学期制 |
ニュージーランドの就学前教育は、政府援助で運営される幼稚園と保育園で提供されています。
ほとんどの3~4歳児が通園しているようです。
高等教育機関への入学者数は毎年増加しており、パートで就業しながら通学する学生も多いようです。
特定の宗教や思想に基づいた私立の小中高校が各地にあり、教育省のカリキュラムに沿いながら、特色のある教育を提供しています。
ニュージーランドの教育の歴史

ニュージーランドの教育制度は「1989年教育法」によって大きく変革しました。
1989年まで100年以上続いた教育委員会制度は廃止され、各学校に学校理事会BOTと外部の学校評価機関EROが設置されました。
ニュージーランドにおける1989年の教育改革について、学校理事会BOTと外部評価機関EROの2点に分けて説明します。
学校理事会BOT
学校理事会BOTは、生徒の父母により選出される代表者を中心に組織される学校経営主体です。
教育改革の目的は、教育行政を単純化し、学校ごとの政策決定権を強めることにありました。
直接父母や地域の教育ニーズを反映させるため、父母等で構成されるBOTが組織されることとなりました。
学校理事会BOTは具体的には、
- 父母代表3~7名
- 校長1名
- 教職員代表1名
- 生徒代表1名(中等学校の場合)
- 共同選出による代表
から構成されています。
学校理事会BOTは、3年に1度改選されます。
父母や地域住民からの立候補を募り、投票による選挙によって決定します。
この選挙は新聞やテレビ、ラジオ、街頭ポスターなどを使って全国規模で実施されます。
活動内容は、学校のカリキュラム作成、財政・人事政策方針決定・運用などがあります。
学校理事会BOTは学校の経営計画全般について、最終的な責任を担っています。
外部評価機関ERO
外部評価機関EROは、学校評価を専門に行う外部組織です。
約120人の調査官で構成され、10の地方事務所に配属されています。
調査期間はおよそ数日から1週間程度です。
調査項目としては、以下のようなものがあります。
- 学校の教育活動が法律、全国教育方針等に一致しているか
- BOTによる効果的な学校経営がされているか
- 生徒に対して効果的な教育活動を提供しているか
特徴は、学校自身による自己評価とERO両者による評価がシステム化されていることです。
各学校は、
- 経営に関する短期・長期計画
- 政策全般に関する年次報告書
- 学校自己評価の実施過程
- 評価結果に関する文書
などの文書をEROに事前に提出し、厳密な評価を受けます。
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ニュージーランドの教育の成果
PISA2018・読解力で第12位
国立教育政策研究所の「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」によると、ニュージーランドの調査結果は以下の通りです。
| 年 | 読解力 | 数学的リテラシー | 科学的リテラシー |
| 2000年 | 3位 | – | – |
| 2003年 | 6位 | 12位 | – |
| 2006年 | 5位 | 11位 | 7位 |
| 2009年 | 7位 | 13位 | 7位 |
| 2012年 | 13位 | 23位 | 18位 |
| 2015年 | 10位 | 21位 | 12位 |
| 2018年 | 12位 | 27位 | 12位 |
初めて全分野で調査が行われた2006年の順位は、読解力5位・数学的リテラシー11位・科学的リテラシー7位でした。
その後はPISA参加国の増加などにより、順位は下がりつつあります。
最近は読解力と科学的リテラシーは、15位ほどで推移しています。
数学的リテラシーは、ほかの2分野と比べてやや低く、20位前後で推移しています。
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まとめ

- ニュージーランドの教育課程は6-2-5-3制
- 義務教育課程も有償
- 高等教育へ進学するには全国統一テスト「NCEA」に合格する必要がある
- 学校理事会BOTが学校を経営し、外部評価機関EROが学校を評価している
ニュージーランドの学校は運営全般に関する裁量が大きく、特色ある学校が多くあります。
外部評価機関によって厳しく評価されているため、学力は維持されていると考えられます。
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