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2019-08-18 2019-08-21

PBLとは?問題解決を通じて深く学ぶ教育方法

PBLという教育手法を知っていますか。

PBLとは、「Problem-based Learning」の略で、日本語では「問題(課題)解決型学習」です。

言葉を聞いたことはあっても、アクティブラーニングなどの用語と混同して理解しているといった方も多いのではないでしょうか。

この記事では、PBLの定義や概要、導入事例などについて解説します。

PBLとは課題解決型学習のこと

PBLとは、「Problem-based Learning」の略で、日本語で「問題(課題)解決型学習」と訳されます。

自ら問題を発見し、問題解決する過程の中で知識や経験を得ていく学習方法のことです。

正解のない問題を解くことで、子どもの思考力の養成や自発性を引き出すことを目的とした教育手段です。

PBLの始まりは医学教育

PBLはもともと医学教育で生まれました。

医学生が医者を目指して学習するために最適な手法がPBLでした。

医療現場では、膨大な専門知識の習得だけでなく、常に新しい知見を吸収する必要があります。

ですが、知識を持っているだけでは最適な医療を提供することはできません。

PBLは、実際の医療業務との関連性を実感させるためのプログラムとして考案されました。

また、医療現場で膨大な知識が必要であることを学生自身が実感することで、学習に対するモチベーションを維持するという狙いもありました。

現在では医学教育だけでなく、様々な分野における教育手法として活用されています。

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PBLの5つの効果

PBLによる学びでは、以下5つの能力が取得しやすいと言われています。

  1. 自主学習力
  2. 表現力
  3. 応用知識
  4. 記憶に残る知識
  5. 情報リテラシー

以下で詳しく説明します。

自主学習力が上がる

PBLは、問題の発見から解決までをすべて自分の力で行うため、学習を通じて自然と能動的に学習を進める力が身に付きます。

表現力が豊かになる

PBLの授業では、少人数のディベートやディスカッション形式のものが多く採用されています。

自分の意見や考えを主張する場面が多くなり、自然と言葉で表現する力が身についていくと考えられます。

基礎だけでなく、応用知識まで身につく

与えられた問題を解決する過程で、基礎にとどまらず、深い応用知識が身についていきます。

知識が定着しやすい

人から与えられたものではなく、自ら調べそれを課題解決に反映させた知識は、頭に残りやすいです。

PBLによって獲得した知識の定着率は、受動的に学んだことよりも高いと言われています。

情報リテラシーが上がる

自主的に知識を獲得する必要があるため、正しい情報と誤った情報を見極める力がPBLでは求められます。

PBLを通じて知識だけでなく、情報リテラシー能力を身に着けることができます。

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PBLが広まった理由

近年PBLが日本で広まった理由には、文部科学省による2つの取り組みが挙げられます。

アクティブラーニングの推進と、地域との協働による高校教育の推進です。

アクティブラーニングの広がり

文部科学省は、学習指導要領の改訂にあたって、教科等の本質的な学びを踏まえたアクティブラーニングの視点から、実践的な調査研究が必要としています。

この動きにより、アクティブラーニングという言葉が日本で波及することとなりました。

これがPBLの注目に大きく関わっていると考えられます。

アクティブラーニングとは、能動的な学習への参加を取り入れた教育方法の総称のことで、そのうちの1つとして問題解決学習(PBL)が挙げられています。

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地域との協働による高校教育の推進

これは、高校と市町村、地元企業、大学等が連携し、高校生に地域課題解決等を通じた探求的な学びを提供する仕組みを構築し、成果を全国へ普及していくという取り組みです。

この取り組みにおいて、「全国高校生マイプロジェクトアワード」などといった、プロジェクトを地域課題に置いたPBLが推進されています。

これら2つの文部科学省の取り組みにより、PBLという言葉が広まったと考えられます。

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PBLの事例

PBLは現在では教育現場だけでなく、企業における人材教育でも活用されています。ここからは、

  1. 学校の授業
  2. 新卒採用におけるインターンシップ
  3. 企業の人材育成

の3つの場面で、具体例を挙げながらPBLの取り組み事例を紹介します。

学校の授業

幼稚園、小学校、中学校、高校、大学等、多くの学校の授業においてPBLは活用されています。

ここでは、先駆的にPBL型の授業を推進している三重大学の授業を例に挙げて説明します。

三重大学では、自己学習力向上を目的として全学的にPBL型の授業を推進しています。

実際の授業では、4~8人の生徒がグループをつくり、問題解決のための計画を策定し、文献や資料を自分で適切なものを選択して学習するという方式のPBL型授業を行っています。

(※これは一例で、担当教授・授業によって方式は多少異なります)

新卒採用におけるインターンシップ

新卒採用におけるインターンシップの中でPBLが活用されている例があります。

ここでは、福岡工業大学の取り組みを取り上げます。

福岡工業大学のインターンシップでは、4週間で企業が実際に抱える課題に取り組み、数値を含んだ達成目標を目指して課題解決のプロセスを学びます。

企業の人材育成

企業ではOJT制度等を活用したPBLが行われています。

OJTとは「On the Job Training」の略称で、日常の業務をこなしながら社員教育を行う手法のことです。

エンジニアの教育が必要なIT企業などでは、OJTとPBLを組み合わせた社員教育の導入が進んでいるようです。

具体的には、新人社員のみの少人数グループに、ソフトウェア開発を期間を決めて行わせるなどの研修が行われています。

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まとめ

  • PBLとは自ら問題を発見し、問題解決する過程の中で知識や経験を得ていく学習方法
  • PBLは医学教育で初めて導入され、現在様々な分野で活用されている

今後、PBLは、文部科学省のアクティブラーニング推進とともにますます普及していくと予想されます。

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