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2019-05-31

国内で教育工学を学べる大学院6選!受験資格や学費、試験の難易度、卒業後の進路・キャリアを解説

この記事では、日本国内で教育工学を学べる大学院を6つ紹介しています。それぞれの学校の入試情報、教育工学を学んだ後のキャリアなどを解説します。

教育工学とは

教育工学(educational technology)とは、教育現場の改善に役立つような教育効果の高い技術や工夫を開発・設計し、評価することを目的とした学問のことです。

適切な情報技術を活用したツールやシステムを創造し、利用し、管理していくことによって、学習者の学習をファシリテート(支援)し、彼らのパフォーマンスを向上させるための研究や実践を行っています。

第二次世界大戦後に生まれた研究分野であるため比較的新しい領域といわれていたのですが、2000年代以降はインターネットの普及とともにこの研究分野は急激に成長しました。

教育工学は、様々な研究分野の応用的研究をしています。教育工学の基礎研究分野としては、教育学、教育心理学、学習科学、人類学、統計学、情報科学など様々な分野が含まれます。近年では脳科学で扱われる研究手法を活用する研究もあります。

研究のフィールドは、幼児教育から生涯教育まで幅広く、企業内教育や医学教育も注目されている分野の1つです。

具体的には教育現場や企業内でどのようにICTが活用されているのかといった調査研究や、どのような効果があるのかを検証する実践研究、eラーニングやデジタル教材の開発研究などがあります。

近年は学生や学校の先生だけではなく、企業で人材育成に関わる人や、大学職員、医師や看護師など多様なバックグラウンドを持つ人が教育工学に関心を寄せています。

日本国内で教育工学を学べる大学院6選

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 文化・人間情報学コース

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http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/education/courses/culturalhuman

東京大学大学院情報学環・学際情報学府は、2000年に創設されました。研究組織である「情報学環」と教育組織である「学際情報学府」という2つの機関で構成されており、教員は情報学環、学生は学際情報学府に所属します。

学際情報学府には「情報」を共通点に文理を問わず様々な分野を学ぶ学生が集うため、生徒の多様性が特徴です。

学際情報学府には「社会情報学コース」「文化・人間情報学コース」「先端表現情報学コース」「総合分析情報学コース」「生物統計情報学コース」の5つのコースがありますが、教育工学と最も関係が深いのが「文化・人間情報学コース」です。

社会科学と自然科学の中間的な位置づけのコースで、文理の融合を大きな特徴としています。認知科学やメディア論、学習環境デザイン、ワークショップデザインなどを専門とする教員が集まっており、指導を受けることができます。

このコースでは、「人間・環境」「歴史・文化」「メディア・コミュニケーション」を3つの柱を軸にしながら、現代の諸課題に理論的・実践的に幅広く学ぶことができます。

教員・学生ともに専門領域が多岐に渡るため、基礎的な研究方法や学術リテラシーを学ぶ授業ではさまざまな工夫を凝らしています。本コースの修士課程修了者には「修士(学際情報学)」の学位が授与されます。

入試情報(文化・人間情報学コース)

受験資格 学位取得者
試験時期 夏季入試=8月、冬季入試=2月(冬季の合格者数は若干名)
選考方法 夏季試験=筆記試験(英語、専門科目の2科目)及び口述試験、冬季試験=口述試験のみ
募集人数 24名程度(夏季、冬季入試の合計、特別選考枠を含む)
社会人選考 あり(約10名が上限) ※試験科目は一般選考と同じ
入学試験結果 出願者数=82人、合格者数=28人、入学者数=26人(2017年度)

早稲田大学 人間科学研究科

https://www.waseda.jp/fhum/ghum/

早稲田大学人間科学研究科は1991年に創設され、多くの高度専門職業人あるいは研究者を各方面に輩出しています。「人間科学」という形で環境科学、社会学、工学、生命科学、心理学など様々な学問領域を横断する教育を行っていることが特徴です。

この研究科には8つの研究領域が存在し、その中の「教育コミュニケーション情報科学研究領域」では情報化社会における人間の営みについて、教育やコミュニケーション、情報科学を融合し、探究しています。

従来の研究分野にとらわれず、文理融合・理工連携をはかりながら人間社会にとって有用なシステム開発研究を行っているのが特徴です。

この研究領域には教育工学を専門とする教員のみならず、教育心理学、教師教育、高等教育論、情報科学など教育の領域における多様な専門分野をもった教員が多く所属しているのも特徴です。

入試情報

受験資格 学位取得者
試験時期 9月半ば(年度によって異なる)
選考方法 書類審査、面接試験
募集人数 110名程度
社会人選考 あり(原則として3年以上の実務経験を有する者)※出願前に指導教員とコンタクトをとり、研究内容を相談することが強く推奨されています。

京都大学大学院 情報学研究科 社会情報学専攻

http://www.soc.i.kyoto-u.ac.jp/

京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻は、1998年にそれまで様々な研究部局に分かれていた「情報」に関する研究分野を統合し、情報学についての視野の広い優れた人材の育成を目的に創設された研究科です。

現在修士課程189名、博士後期課程60名の学生定員を持ち、京都大学の大学院研究科の中でも有数の規模を有します。

専攻が「知能情報学」「社会情報学」「先端数理科学」「数理工学」「システム科学」「通信情報システム」に分かれており、教育工学と最も関係が深いのが「社会情報学」専攻です。

社会情報学専攻では、複雑化する情報社会の構造を解明し、文化、経済、環境、防災、教育の各方面でグローバル化する人間の社会活動を支える情報システムをデザインします。それぞれ専門とする領域が異なるため、多様な分野の授業を受けディスカッションを行うことができます。

その中で教育の方面では人々の「学び」や「教育」を支援するための先端情報技術について研究しています。教育データサイエンス、ラーニングアナリティクス(学習分析)、インフォーマル学習、協調学習などをキーワードとする研究を行っています。

このような研究を通じて、未来の学習・教育環境を創造しています。

カリキュラムの特徴としては、初年度に情報システムを設計する方法、情報を分析する方法、情報と社会のかかわりを学ぶための講座を開設しているため、情報学の基礎を一から学ぶことができます。また、修士論文の執筆に向けて、指導教員の他に2名のアドバイザーを置く複数アドバイザー制を導入しています。

入試情報

受験資格 学位取得者
試験時期 8月上旬
選考方法 筆記試験(各自の専門科目、情報学の基礎知識を問う科目、論理的思考を問う一般論述)、面接・口頭試問)
募集人数 40名程度
出身大学 京都大学=25名程度、他大学=10名程度、留学生=数名 ※修士入学を希望する際には、事前に研究室に連絡し研究室訪問を行うことが必須となっています。

大阪大学大学院 人間科学研究科 教育学系

https://www.hus.osaka-u.ac.jp/ja

大阪大学人間科学部は、1972年に大阪大学文学部から独立する形で発足し、日本ではじめて設立された「人間科学部」です。

人間科学部/研究科では、「実践性」「学際性」「国際性」を理念として掲げ、人間そのものへの学術的理解の進展と、地域や行政、NPO、企業などと協働して社会の諸問題を解決することを目指しています。

現在大学院では行動学系、社会学・人間学系、教育学系、共生学計の4学系があり、教育工学を学べるのは教育学系です。教育学系はさらにいくつかの講座に分かれており、そのひとつである「臨床教育学講座」のなかに教育工学は位置します。

学習環境のデザインに関する研究を行っており、人間科学の諸理論と研究方法論を活用しながら、教育や学習環境を設計・評価することをテーマに研究活動をしています。

入試情報

受験資格 学位取得者
試験時期 秋期=9月中旬、冬期=1月末=2月頭
選考方法 【一般入試】筆記試験(英語、専門科目)、口述試験
募集人数 定員89人
社会人特別入試 あり ※教育工学の研究室を受験する場合には、願書提出前に面談を行うことが必須となっています。

九州大学大学院 人間環境学府 教育システム専攻

http://www.hues.kyushu-u.ac.jp/education/department/education.html

九州大学大学院人間環境学府は、人間環境学という新しい学問領域の創出を理念として、1998年に工学部、教育学部、文学部などが協力・合同して発足した教育研究組織です。

教育システム専攻の修士課程は、「現代教育実践システムコース」と「総合人間形成システムコース」の履修コースが存在し、教育工学について学べるのは前者の「現代教育実践システムコース」です。このコースは教育の実践面を重視しているのが特徴です。

実践現場での豊富な活動経験や教育実践を有する学生が、それぞれの実践の改善をはかり、更なる活躍の場を広げられる支援をするための指導を行います。教授ストラテジーや学習環境デザイン、協調学習などをキーワードに研究を行っています。

入試情報(現代教育実践システムコース)

受験資格 学位取得者
試験時期 夏季=8月末、冬期=2月上旬
選考方法 筆記試験(教育学に関する共通科目、専門科目)、口述試験
募集人数 19人(夏季、冬季入試の合計、特別選考枠を含む)
社会人特別入試 あり ※過去の入試問題は窓口にて閲覧可能

熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻

http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/

熊本大学大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻は2006年に開設され、教授システム学に関する体系的な教育研究を行っています。

特に「eラーニング」に関する高度専門職業人の養成を目的として教育研究活動を展開していることが特徴です。

修士課程では、修了生に求める能力を公表し、その達成のための実践的なカリキュラムを整備しています。

eラーニング業界が求める人材を輩出するため、特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアムと連携し、「eラーニングプロフェッショナル(eLP)資格認定制度」の相互認定機関としての認証を受けています。修了生の多くは複数のeLP資格を取得しており、eラーニングの専門家として活躍しています。

正規生は、前期課程2年分の学費で3年間在学できる長期履修制度や、逆に2年より短期で修了する在学期間の特例制度が用意されており、柔軟な履修が可能です。正規生以外でも、特定教員のもとで研究を進める研究生や、科目ごとの単位を取得できる科目等履修生の制度もあります。

入試情報

受験資格 学位取得者
試験時期 2月下旬
選考方法 書面審査(英語に関連する資格に関する証明書含む)、筆記試験(小論文)、口述試験
募集人数 15人
社会人特別入試 あり

教育工学を学んだ後の進路・キャリア

大学院で教育工学を学び修士号を取得したあとのキャリアは多様ですが、博士課程に進学する人よりも就職する人数が多い傾向にあるようです。

主な就職先としては金融業界、IT・メディア業界、コンサルティング会社など多様です。情報科学を重視する研究室によっては、推薦という形で企業に就職するケースもあります。

まとめ

教育工学の1番の特徴は、様々な研究アプローチが可能なことです。

工学・教育学に限らず心理学、情報科学など様々なアプローチをとる人がおり、研究者たちはそれぞれ異なる専門分野を背景に持っています。

そのため教育工学を学べる大学院の多くは、文理融合・分野横断的な教育を重視していることが多く、多様な専門分野に触れながら自らの知見を広めることができます。

教育工学はまだ比較的新しい研究領域ではありますが、情報化が進む現代社会において今後ますます注目を集める研究領域だといえるでしょう。

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