2016-05-22 2025-09-09
MOOCs(ムークス)とは、インターネットを通じて無料で世界中の有名大学の授業を受けられる学習環境
インターネットが普及した現代の新たな学習プラットフォームとして、MOOCs(ムークス)が注目されています。
MOOCs(ムークス)とは、インターネットを通じて無料で世界各国の有名大学の授業を受けることができる学習環境のことです。
日本でも徐々に認知度が高まっており、参画する大学が増加しています。
この記事では、MOOCs(ムークス)の概要や海外・日本の事例、メリット・デメリット等について説明します。
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目次
MOOCs(ムークス)とはインターネットを通じて無料で世界中の有名大学の授業を受けられる学習環境

MOOCs(ムークス)とはインターネットを通じて無料で世界各国の有名大学の授業を受けることができる、新たな学習環境のことです。
MOOCsは、Massive Open Online Coursesの略称で、MOOC(ムーク)と呼ばれることもあります。
近年インターネットの普及とともに、新たな大規模プラットフォームとして注目されているサービスです。
MOOCs(ムークス)の効果
MOOCs(ムークス)で得られる効果・メリットは、
- 費用面の負担が減ること
- 教育の地域格差の解決が見込まれること
- ”誰でも学べる”生涯学習に貢献すること
の3点が挙げられます。以下で詳しく解説します。
費用面の負担減:受講は無料
MOOCs(ムークス)の公開講座は、原則無料で受講できます。
学費の都合で諦めることなく、名門大学や有名企業の講座が無料で受講できることは大きなメリットとして考えられます。
地域格差の解決:オンラインでどこにいても受講可能
MOOCs(ムークス)の講義は、インターネット環境さえあれば視聴できます。時間と場所を選ばない為、受講者は自分の都合に合わせて講義を閲覧できます。
このメリットは教育の地域格差の解決にもつながると言われています。世界には、
- 自分の学力に合った教育機関がない
- 学校がない
- 学校に通学する時間がない
など、様々な理由から学校に通えない生徒がいます。
MOOCs(ムークス)のサービスは、これらの問題を解決することが期待されています。
生涯学習に貢献:誰でも学べる
MOOCs(ムークス)の最大のメリットは、誰でも受講できることです。
年齢や国籍、受講者の学力など一切問われることなく、すべての講座を受講することができます。
日本では、文部科学省が推進している施策に生涯学習振興策があります。
生涯学習は人々が生涯にわたって行うあらゆる学習のことで、学習環境を人々に提供することが生涯学習振興策です。
MOOCs(ムークス)は、生涯学習が行える学習環境の1つとしても機能することが期待されます。
MOOCs(ムークス)の仕組み

MOOCs(ムークス)の仕組みを受講者側と提供者側から説明します。
受講者の学び方
MOOCs(ムークス)は簡単なユーザー登録を済ませた後、すぐに講義の受講することができます。
1講義10分程度で視聴でき、コースにもよりますが約1ヶ月程度で1コースを修了することができます。
ビデオ講義のほか、ディスカッションや講師への質問の場などが設けられているMOOCs(ムークス)もあります。
アプリでの提供や、字幕言語などのオプションも用意されている場合があります。
一部のMOOCs(ムークス)では有料で修了証を取得することで、就職・転職活動で活用できる場合もあります。
提供者側の仕組み
MOOCs(ムークス)の講義は、MOOCs(ムークス)とパートナーシップ合意を締結した大学や機関と、その規定に基づいて配信されています。
プラットフォームの開発体制としては、MOOCs(ムークス)が資本調達を行っているITベンチャー企業からエンジニアを雇用して開発するという体制を取っている場合が多いようです。
それぞれの大学ごとに、オンライン教育プログラムやオープンエデュケーションなどの既存の取り組みとの兼ね合いを見ながら、配信体制の構築が行われています。
MOOCs(ムークス)のビジネスモデル
MOOCs(ムークス)の多くは、大学やベンチャーキャピタルからの出資を受けて設立されています。
パートナーとコースの選定について議論し、各コースにMOOCs(ムークス)の担当マネージャーがついてコース開発やマーケティング支援を行っています。
資本調達に加えて、昨今、有料の修了証や学位を取得できるコースなどが展開されており、これらのサービスからの収入も得ているようです。
MOOCs(ムークス)の始まりは2000年代後半のアメリカ

MOOCs(ムークス)は、2008年頃にアメリカで始まりました。
世界的に普及した契機は、2011年秋にスタンフォード大学で3つのコースがMOOCs(ムークス)で試験的に提供されたこととされています。
その3つのコースは、後に、それぞれ
- Udacity(ユダシティ)
- edX(エデックス)
- Coursera(コーセラ)
の3つのMOOCs(ムークス)として設立されました。
世界の有名大学がMOOCs(ムークス)に参画したことがメディアでも多く取り上げられ、世界中から注目されたと言われています。
▶K-12とは?アメリカで主流の幼稚園~中等教育を含む13年間の教育期間
海外の代表的なMOOCs(ムークス)
Udacity(ユダシティ)
Udacity(ユダシティ)は、2019年現在190か国以上で16万人以上が学ぶMOOCs(ムークス)のプラットフォームです。
Udacity(ユダシティ)のコースの特徴は、プログラミングや機械学習、AIなど、エンジニア向けの講座が多いことです。
ユーザー層として最も多いのは25歳から30歳後半のビジネスパーソンです。
▶UdacityとはGoogleやFacebookなどの企業と協力する教育サービス
edX(エデックス)
edX(エデックス)は2012年5月にマサチューセッツ工科大学とハーバード大学が立ち上げた非営利組織です。
2019年9月現在、約120の大学・企業と提携し約2,800を超えるコースが提供されており、2,000万人以上が学んでいます。
edX(エデックス)はオンラインでの授業を受けるだけでなく、テストを受け合格することで修了証を得ることができます。
日本からは京都大学がedX(エデックス)に参加しています。
▶edXとは│マサチューセッツ工科大学とハーバード大学が共同で設立、2,000万人以上が学ぶMOOCs
Coursera(コーセラ)
Coursera(コーセラ)はスタンフォード大学の2人の教授によって、前述のUdacity(ユダシティ)とほぼ同時期に立ち上げられました。
2019年9月現在、196の大学・企業と提携し3,751の講座と16の学位を提供しています。
スタンフォード大学、イェール大学、ミシガン大学を始め、日本の大学では2013年に東京大学がCoursera(コーセラ)に参加しています。
企業パートナーとして、GoogleやIBM、SAPといった大規模なIT企業が講座を提供しています。
▶Courseraとは、スタンフォード大学の教授が設立したMOOCs
KhanAcademy(カーンアカデミー)
KhanAcademy(カーンアカデミー)は、2006年に教育者のサルマン・カーン氏によって設立された非営利組織です。
小学生~高校生を対象に、算数(数学)、物理化学、歴史、美術など、様々な教科を展開されています。
現在、1万本を超えるビデオ教材と練習問題が提供されています。
KhanAcademy(カーンアカデミー)のウェブサイト以外に、無料でYoutubeチャンネルやアプリ(iOS/Android)でも動画を配信しています。
▶Khan Academyとは学校教育にも活用されるオンライン学習サービス
日本でのMOOCs(ムークス)
日本では、
- 高等教育の質の向上
- 社会人の学び直し
に対するICT利活用への期待が高まっており、そこでMOOCs(ムークス)が注目されています。
ここでは、「MOOC等を活用した教育改善に関する調査研究」をもとに、日本でのMOOCs(ムークス)の広がりと政府後任のプラットフォーム「JMOOC」を解説します。
日本でのMOOCs(ムークス)の広がり
日本でMOOCs(ムークス)で講義提供を行っている大学は、2015年3月時点で国立大学4校・私立大学15校の全体で19校でした。
MOOCs(ムークス)を利用する多くの大学では、教育提供選択肢の拡大と自校のブランディングの2つを目的として講座提供をしています。
JMOOCとは
「JMOOC」とは、2013年に立ち上げられた、日本を中心にアジアへ配信していくことを目的とした、複数の講座配信プラットフォームをまとめるポータルサイトです。
- 「gacco」(NTTドコモとドコモgacco)
- 「OpenLearning, Japan」(ネットラーニング)
- 「OUJMOOC」(放送大学)
- 「Fisdom」(富士通)
において提供されている、全ての講座をJMOOCから検索・受講することができます。
現在は、修了証の認知拡大やアジア全体に対する講義の提供、反転学習の確立等を目的として活動しています。
これまで累計340講座、100万人以上がJMOOCで学んでいます。
MOOCs(ムークス)の課題
誰でもどこでも無料で講義が受けられる大規模な教育プラットフォームであるMOOCs(ムークス)ですが、課題も指摘されています。
- モチベーションが維持しにくい
- コンテンツの種類が不十分
- 修了証は学位や単位の証明にはならない
ここでは上記の3点を挙げ、以下で詳しく説明します。
モチベーションが維持しにくい
学習者の意欲に応じて好きな講義が受けられることがMOOCs(ムークス)のメリットです。
一方で、学校教育のような義務感がなく、基本的には一緒に受講する友人などもいないため、学習意欲の維持が難しい点が課題ともいわれています。
コンテンツの種類が不十分
MOOCs(ムークス)にはすべての科目が公開されているわけではありません。
パートナー大学数の増加や学位の提供などの動向から、コンテンツの種類は増加しているものの学習できる分野は限られています。
ビジネスでの活用が期待されていることから、IT分野やビジネス分野のコンテンツが充実している一方、音楽や芸術といった分野の講座はわずかしかありません。
修了証は学位や単位の証明にならない
MOOCs(ムークス)の一部のプログラムでは、有料で修了証の発行ができます。
修了証は就職・転職活動での活用はできますが、基本的に現在は学位(学士・修士号など)や単位の証明としては扱うことができません。
▶教育コンサルタントに転職したい人がはじめに見ておくべき基礎知識
MOOCs(ムークス)の近年の取り組み

ここまでMOOCs(ムークス)について説明してきましたが、ここからは近年の取り組みを紹介します。
企業との連携
MOOCs(ムークス)は、有名大学の講義を無料でどこでも受講できるプラットフォームづくりを目的として設立されました。
現在では、講義提供者は教育機関のみにとどまらず、GoogleやAmazon、IBMなどのIT企業を中心に多くの大企業まで広がっています。
Nanodegree(ナノディグリー)プログラムの提供
nanodegree(ナノディグリー)とは、MOOCs(ムークス)プラットフォームの1つであるUdacity(ユダシティ)が提供する、IT企業で特に求められるスキルに特化したプログラムのことです。
月額200ドル(約2万円)の定額制でコースを受講し、コーチングなどの支援を受けられ、就職・転職活動で活用することができます。
Linkedin(リンクトイン)との連携
MOOCs(ムークス)プラットフォームの1つである、Coursera(コーセラ)は修了証をLinkedin(リンクトイン)と連携させる取り組みを始めました。
LinkedIn(リンクトイン)は、ビジネス特化型のソーシャル・ネットワーキング・サービスです。
日本では、まだあまりなじみがなく利用者は約100万人ほどですが、世界ではおよそ4億人に利用されています。
LinkedIn(リンクトイン)の利用目的は、主に企業と個人が直接つながることです。
個人側はLinkedInを自己紹介ツールとして使用しており、自分の学習歴にCoursera(コーセラ)で修了したプログラムについて記載できるようになりました。
それによって、企業側は学歴や職歴以外の情報として、学習歴をその人のスキルとして確認できるようになりました。
▶EdTech企業・サービス一覧!子供、受験、英語、社会人などの学習領域別のまとめ
まとめ
- MOOCs(ムークス)とはインターネットを通じて無料で世界各国の有名大学の授業を受けることができる学習環境のこと
- MOOCs(ムークス)は誰でもインターネット環境さえあれば、無料で講義が受けられる
- MOOCs(ムークス)で取得した修了証は、就職・転職活動で活用できる
MOOCs(ムークス)は、大学教育・社会人教育・生涯教育への活用が期待されています。
時間的・空間的制限なく学習ができるメリットを最大限生かし、国全体の教育事業のプラットフォームとしての活用が見込まれています。
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この記事の監修者
Education Career 編集部
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