2019-12-16 2026-01-15
保育士と児童指導員の違いは、対象とする子どもの年齢・働く場所・必要な資格の3つ
子どもに関わる仕事として最初に思いつくのは保育園で働く保育士ではないでしょうか。
しかし、保育士以外にも子どもと関わる仕事として児童指導員という職業があります。
この記事では、
- 保育士と児童指導員は何が違うのか
- どのような職場で働くのか
- 待遇面はどうなのか
といった疑問に答えます。
この記事の監修者
Education Career 編集部
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保育士と児童指導員の違い
| 保育士 | 児童指導員 | |
|---|---|---|
| 対象の子どもの年齢 | 0~6歳 | 0~18歳と幅広い |
| 働く場所 | 保育園 | 児童養護施設、乳児院・障害児入所施設など児童福祉施設 |
| 必要な資格 | 保育士資格 | 児童指導員任用資格 |
保育士と児童指導員の違いは上の表のように、
- 「働く場所」
- 「対象の子どもの年齢」
- 「資格」
の3点があげられます。以下で詳しく説明します。
働く場所
まず、保育士と児童指導員は働く場所が異なります。
保育士は一般的に保育園で働きます。
児童指導員は児童養護施設や乳児院、障害児入所施設などの様々な児童福祉施設で働きます。
- 障害児が通う児童発達支援センター
- 障害児以外の児童発達支援事業所
- 障害児に学校や家庭以外の居場所を提供する放課後等デイサービス
では、厚生労働省が児童指導員の配置を義務付けています。
このように、児童指導員は保育士に比べ、障害を持った子どもや諸事情で家庭で養育できない子どもを預かる福祉事業への関わりが多いです。
対象の子どもの年齢
保育士と児童指導員は相手にする子どもの年齢が異なります。
保育士は一般的に0~6歳の乳幼児を対象とします。
児童指導員は働く職場が多様なので、対象とする子どもの年齢は幅広いです。
例えば、放課後デイサービスでは6歳から12歳までの児童を対象にしますが、
- 乳児院:1歳未満の乳児
- 児童養護施設:1歳~18歳までの児童
を対象にします。
資格
保育士になるためには、国家資格である「保育士資格」が必要です。
この資格を得るには厚生労働大臣指定の養成機関を卒業するか、保育士国家試験に合格する必要があります。
児童指導員になるためには、「児童指導員任用資格」が必要です。
この資格を得るには一般的には、
- 福祉系の専門学校といった養成学校を卒業
- 大学や大学院で心理学・教育学・社会学のいずれかを学んで卒業
するルートがあります。(実務経験を経て資格を取得するルートもあります)
保育士と児童指導員の違いを説明しました。ここからは、保育士と児童指導員それぞれの詳細を説明していきます。
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保育士について

保育士は、子どもの保育を行うと同時に、保護者に対して保育に関する指導を行うことができる国家資格をもつ人です。
役割
保育士の役割として最も一般的なのは、就労などの事情で子どもの保育を行うことのできない保護者に代わって就学前の乳幼児の保育を行うことです。
乳幼児期は子どもの人間形成に非常に大事な時期です。
保育園に通う子どもはその大事な時期の1日のうち、多くの時間を保育士と共に過ごします。
保育士は子どもにとって保護者と同じように信頼できる存在である必要があります。
必要な資格
保育士になるには、国家資格である「保育士資格」が必要です。
保育士資格を得るには、
- 厚生労働省大臣が指定する養成施設(大学・短大・専門学校)を卒業する
- 保育士国家試験に合格する
の2つの方法があります。
①の場合は無試験で保育士の資格を得ることができます。
②の保育士養成施設を卒業しない場合には、国家試験に合格する必要があります。
試験を受験するには、大学・短期大学・専門学校を卒業するか、2年以上の実務経験が必要です。
保育士の国家試験は毎年4~5万人が受験、合格率は例年10%~20%台です。
仕事内容
朝保護者から子どもを預かり、夕方から夜にかけて保護者が子どもを迎えに来るまで子どもに保育を行います。
基本的な仕事内容としては、
- 身の回りの世話(食事、おむつの交換等)を行いながら生活リズムを整えること
- 遊びを通して心身の発達をサポートすること
が挙げられます。
他にも、
- 保護者に対して育児のアドバイス
- 保育園での行事の企画・運営
- 地域と連携したイベントの実施
など様々な仕事を行います。
乳幼児期の子どもは月齢・年齢によって発達の度合いが大きく異なります。
例えば0歳児でも6か月まではおむつを替えたり授乳したりといった身の回りのお世話が多くなる一方、1歳に近づくと言葉が徐々に理解できるようになり歩き回ったりと動きが活発になります。
2歳ごろになると言葉でのコミュニケーションができるようになり身の回りのお世話は少なくなる一方、「イヤイヤ期」といった自己主張が強くなる時期になるため接し方に工夫が必要になります。
このように年齢が1つ異なるだけで求められる保育の内容や質が大きく変わってくる上、発達段階には個人差も大きく関係します。
保育士は複数の子どもたちの様子を把握しながら必要なサポートを一人一人に提供する必要があるため、専門的な知識や能力が必要です。
働く場所
保育士の一般的な就業場所は保育園です。
保育園以外にも、近年は託児スペースを設けている企業も増えているためそこで働く保育士もいます。
自宅訪問型の保育サービスも増えており、保育士の働き方にも幅が出てきています。
他にも、
- 児童養護施設
- 乳児院
- 母子家庭の女性と子どもが一緒に利用できる母子生活支援施設
といった福祉施設でも、保育士の資格を持っていると働くことができます。
給料
公立の保育園で働くか、私立の保育園で働くかによって給与水準は異なります。
また、フルタイムかパートタイムかといった雇用条件によっても給与は大きく異なります。
厚生労働省の「平成29年度賃金構造基本統計調査」によると、保育士の給料は、
- 男性 年収377.3万円/月収25.4万円
- 女性 年収339.8万円/月収22.8万円
です。
男性の方がわずかに高いですが、そこまで大きな差があるわけではありません。
日本国民の年収中央値が442万円であることから、保育士の年収は高くはないことがわかります。
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児童指導員について

児童指導員は、養護を必要とする子どもたちに対して、生活環境の整備や生活指導を行う人です。
役割
児童指導員は、家庭の事情や障害などによって児童福祉施設で生活している0~18歳の子どもが健全に成長できるように、保護者に代わって生活指導します。
必要な資格
児童指導員になるには「児童指導員任用資格」が必要です。
児童指導員任用資格を得るためには、
- 厚生労働大臣が認めた養成施設(福祉系の専門学校など)を卒業する
- 4年生の大学や大学院で心理学・教育学・社会学のいずれかを履修して卒業する
の2つの方法が一般的です。
他にも、
- 大学や短大で小・中・高の教員免許を取得する
- 高校等を卒業して児童福祉事業における実務を2年以上経験する
- 社会人の場合は地頭尽くし事業における実務を3年以上経験する
の3つの条件を経たうえで、厚生労働大臣または都道府県知事に適当であると認められると資格を得ることができます。
社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持っている人にも児童指導員任用資格が与えられています。
仕事内容
児童指導員の一般的な仕事内容は、児童の生活指導と生活環境の整備です。
生活指導は、児童一人一人に対して生活指導計画を立てた上で、身の回りの世話をはじめ自立のための訓練や指導を行います。
生活環境の整備は、児童相談所や学校といった他の関係機関と連絡を取ったり、児童の引き取りをめぐって保護者と面談を行ったりといった周囲との調整を行います。
障害のある児童が入所する施設においては、それぞれの施設に見合った専門的な指導を行います。
働く場所
児童指導員の働く場所は以下のように多岐にわたります。
- 児童養護施設:様々な事情によって家庭での養育が困難なこどもたちが生活する施設。原則として1歳から18歳までの児童が対象となる。
- 乳児院:様々な事情によって家庭での養育が困難な乳児が入所する施設。原則として1歳未満の乳児が対象となる。
- 障害児入所施設:障害のある児童が入所して生活する施設。
- 児童発達支援センター:障害のある児童が通所して日常生活における基本的指導や訓練を受ける施設。
- 児童家庭支援センター:地域の子どもに関する様々な問題に対して相談にのり必要な助言を行う施設。
- 放課後デイサービス:学校に通っている障害を持った子供に対し、放課後や夏休みの間に居場所を提供する施設。
上記のように、児童指導員は障害を持つ子どもや様々な事情によって家庭で過ごすことができない子どもにたいして養護サービスを行っている施設で働きます。
給料
児童指導員の給料は、公立の施設で働く場合は公務員給与規定に基づいて支給されるため、一般的な平均年収は450~550万円程度です。
私立の施設で働く場合は、経験年数などで給与水準が決まります。
民間施設であっても福祉事業の役割が大きいため、公務員の一般職の賃金を元に給与が決められています。
まとめ
この記事では保育士と児童指導員の違いについて扱いました。
保育士と児童指導員は共に子どもに関わる仕事です。
最も大きな違いは、保育士は保育園で働くことが多く、児童指導員は養護の必要な子どもを対象に福祉施設で働くことです。
どちらも子どもの人格形成の大事な時期に関わる重要な仕事である一方、雇用待遇があまり良くないとも言われています。
保育士不足や福祉事業に関わる人材の不足がクローズアップされる中、このような職種の待遇の改善を求める動きが強まっています。
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