2026-01-15 2026-01-26
放課後等デイサービスで働くには?職種、仕事内容、年収、向いている人の特徴を転職エージェントが解説
放課後等デイサービスは、主に障害のある就学児を対象に、放課後や学校休業日に支援を行う福祉サービスです。
本記事では、放課後等デイサービスで働くことを検討している方に向けて、仕事内容や職種、年収の目安、向いている人の特徴を整理して解説します。
この記事の監修者
Education Career 編集部
教育業界専門の転職エージェント「Education Career」の編集部です。年間で数百名の教育業界出身者の転職やキャリアの支援を行う転職エージェントとして、教育業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。
目次
放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づく福祉サービスの一つです。
主に障害のある子どもや、発達に特性のある子どもが、学校の授業終了後や夏休みなどの長期休暇に利用します。
学校や家庭とは異なる第3の居場所として、生活能力の向上のための訓練や、社会との交流を促進するための支援を提供します。
対象は学校教育法で規定されている学校に就学している障害児で、利用には各自治体が発行する受給者証が必要です。
放課後等デイサービスと児童発達支援の違い
放課後等デイサービスと児童発達支援の違いは、対象年齢です。
児童発達支援は、主に小学校入学前の未就学児を対象としています。一方、放課後等デイサービスは前述の通り、学校に就学児している児童が対象です。
また、支援の内容にも違いが見られます。児童発達支援では、早期療育(早い段階で適切な支援を行うこと)を通じて、日常生活の基本動作や集団生活への適応を目指します。
放課後等デイサービスでは、学校生活との両立や、将来の自立・就労に向けたスキルの習得など、より幅広い支援が行われます。
事業所によっては、児童発達支援と放課後等デイサービスを同じ施設内で併設して運営しているケースもあります。
放課後等デイサービスにおける職種
放課後等デイサービスでは、児童数等に応じて事業所に配置すべきスタッフの人数が決められています。
基本的な考え方としては、以下の通りです。(詳細は厚労省HP等でご確認ください)
- 管理者: 1名以上(他職種との兼務可)
- 児童発達支援管理責任者: 1名以上(うち1名以上は専任かつ常勤)
- 児童指導員又は保育士: 子どもの人数に応じた数(うち1名以上は常勤)
- 児童数が10名までの場合: 2名以上
- 児童数が11名以上の場合: 2名に加えて、児童数10名を超えた分に応じた人数(5又はその端数を増すごとに+1名)以上
- 機能訓練担当職員: 日常生活を営むのに必要な機能訓練を行う場合に配置
- 看護職員: 日常生活及び社会生活を営むために医療的ケアを恒常的に受けることが不可欠である障害児に医療的ケアを行う場合に配置
管理者
管理者は、事業所が円滑に運営されるよう全体を統括する責任者です。
行政機関への請求業務や報告、地域社会との連携、外部窓口としての役割も担います。
児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者は、子ども一人ひとりの支援方針を定める「個別支援計画」の作成と管理を担います。
保護者との面談を通じて家庭の状況や本人の課題を把握し、具体的な支援目標を設定します。計画作成後も、支援の効果を定期的にモニタリングし、必要に応じて内容を更新します。
また、現場スタッフへの技術的な助言や指導、関係機関(学校や相談支援事業所)との連絡調整を行うなど、サービス全体の質を担保する役割を担います。
児童指導員又は保育士
児童指導員や保育士は、放課後等デイサービスの現場において、個別支援計画に基づいた直接支援を担います。
主な業務は、子ども一人ひとりのアセスメントに基づいた療育活動の展開で、集団活動の運営、個別課題への対応など多岐にわたります。
集団活動においては、他者とのコミュニケーションやルールの遵守など、社会適応力を高めるためのプログラムを企画・実行します。
また、身の回りの自立を目指した生活動作の補助や、学習面でのつまずきに対する環境調整も、支援の重要な一部です。
直接支援に付随する業務として、日々の活動記録の作成や情報の共有も欠かせません。
子どもたちの変化を客観的な指標で記録し、児童発達支援管理責任者へフィードバックすることで、支援計画の質を維持・向上させます。
また、家庭への連絡帳の記入や送迎時の対面報告を通じ、保護者との連携を図りながら、一貫した支援体制を構築する実務も担当します。
機能訓練担当職員
機能訓練担当職員は、身体に障害がある子どもや、発達の特性により動作に課題がある子どもに対し、日常生活を営むのに必要な機能訓練を行う職種です。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったといった国家資格を持つ専門家がこの役割を担います。
具体的には、歩行や姿勢保持のための筋力訓練、手先の細かい動作や道具の使い方の練習、言葉の遅れやコミュニケーション、摂食嚥下の訓練などを行います。
機能訓練を行うだけでなく、他のスタッフに対して助言を行い、施設全体の支援レベルを底上げする役割も担います。
看護職員
看護職員は、日常生活や社会生活を営む上で恒常的に医療的ケアを受けることが必要な児童に対し、適切なケアを行う役割を担います。
個々の児童が必要とする医療的ケアを主治医の指示に基づき実施したり、児童の健康管理を行います。
また、事業所内における感染症などの疾病予防対策や、衛生管理に関する指導も担当します。子どもたちが集団生活を送る中で、健康を維持し、安全に活動に参加できるよう環境を整える役割を担っています。
参考:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準
放課後等デイサービスの仕事内容
ここからは、放課後等デイサービスにおける、児童指導員や保育士の仕事内容を解説します。
放課後等デイサービスでの仕事では、児童一人ひとりの発達段階や特性、抱えている課題に合わせた支援が求められます。
具体的な仕事内容は、直接的な支援から、保護者への対応、事務的な管理業務まで多岐にわたります。
スタッフはチームで連携しながら、子どもたちが将来の自立に向けて一歩ずつ前進できるよう、以下のような役割を担います。
個別支援計画に基づいた支援
放課後等デイサービスにおける中心的な業務は、個別支援計画に基づいた支援です。
子どもたちの特性に応じ、着替えや手洗いなどの基本的生活習慣の訓練から、集団遊びを通じた社会性の向上、学習支援まで幅広く行います。
また、一人ひとりの課題に焦点を当てた個別療育では、スモールステップで「できた」という成功体験を積み重ね、自己肯定感を育みます。
遊びや活動を通じ、心身の健やかな発達を促す大切な役割です。
家族支援・関係機関との連携
支援は、事業所内だけで完結するものではありません。
保護者との面談や日々の送迎時の報告を通じて、家庭での様子を把握したり、事業所での取り組みを共有します。保護者が抱える育児の悩みに対する相談支援も大切な役割です。
また、子どもが通う学校や、他の福祉サービス事業所とも連携を図ります。
学校や家庭での変化を共有し、一貫性のある支援体制を構築することで、子どもが混乱なく過ごせるよう調整を行います。
記録業務・事務作業
適切な支援を継続するためには、客観的な記録が大切です。
毎日の活動終了後には、支援記録や日報を作成します。これは、子どもの微細な変化を捉え、支援計画の有効性を検証するための重要なデータとなります。
その他、施設の清掃や安全点検、行事の準備、送迎業務なども含まれます。
放課後等デイサービスの年収・給料相場
ここからは、放課後等デイサービスでの年収・給与について解説します。
放課後等デイサービスの福祉・介護職員の平均年収
令和6年の厚生労働省の調査によると、放課後等デイサービスの福祉・介護職員の平均給与額は、286,110円です。
平均給与額の定義は、基本給(月額)+手当+一時金(4~9月の支給金額の1/6。賞与等含む)です。
前年(令和5年9月)と比較すると、平均給与額は19,510円アップしています。
| 令和6年9月 | 令和5年9月 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 放課後等デイサービス | 286,110円 | 266,600,円 | 19,510円 |
このデータを元に試算(平均給与額×12ヵ月)をすると、放課後等デイサービスの福祉・介護職員の平均年収は、約343万円です。
障害福祉サービス等従事者の職種別の平均年収
同調査では、障害福祉サービス等従事者の職種別の平均給与額データも掲載されています。
| 令和6年9月 | 令和5年9月 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 児童指導員 | 319,690円 | 300,310円 | 19,380円 |
| 保育士 | 343,600円 | 321,670円 | 21,930円 |
| 看護職員(保健士,看護師,准看護師) | 421,390円 | 399,130円 | 22,260円 |
| 機能訓練担当職員 | 374,120円 | 346,750円 | 27,370円 |
それぞれ、平均年収を試算(平均給与額×12ヵ月)すると、
- 児童指導員の平均年収:約384万円
- 保育士の平均年収:約412万円
- 看護職員の平均年収:約506万円
- 機能訓練担当職員の平均年収:約449万円
です。
なお本調査は、福祉・介護職員処遇改善加算の届出をしている施設・事業者において、令和5年9月・令和6年9月共に在籍している常勤者を対象としています。
参考:令和6年 障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査|厚生労働省
放課後等デイサービスでの仕事のやりがい
放課後等デイサービスでの仕事の大きな魅力は、子どもたちの成長を長い目で見守り、その変化を一番近くで感じられることです。
障害や特性から、日常の何気ない動作に難しさを感じている子が、適切なサポートを通じて自分自身の力を伸ばしていく過程には、言葉にできない感動があります。
目に見える大きな進歩はもちろん、本人の中で芽生えた小さな自信や、周囲への関心の広がりをチームで共有できた時などにもやりがいを感じられるでしょう。
また、ご家族を支える存在になれることも、この仕事の大切な意義です。
人との関わりが非常に深い仕事であるため、子どもたちや保護者からの感謝の言葉は、何物にも代えがたいものとなります。
保護者の方と信頼関係を築き、共にお子さんの将来を考えていくプロセスは、自分自身の成長にもつながるはずです。
一人ひとりのニーズに応じた支援が、子どもとそのご家族の未来を支える確かな土台になっていく。その実感こそが、この仕事を続ける上での大きな原動力となります。
放課後等デイサービスでの仕事に向いている人
放課後等デイサービスの現場では、子どもたちの特性を尊重し、チームで協力し合える姿勢が求められます。
以下のような人は、放課後等デイサービスでの仕事に仕事に向いているでしょう。
変化に気づき、背景を考えられる観察力
子どもの状態を、先入観なく観察できることは大切です。
自分の気持ちを言葉にするのが苦手な子も多いため、表情や行動のわずかな変化から「今は何に困っているのかな?」と、その背景を考えようとする柔軟な視点が欠かせません。
自分の価値観を押し付けるのではなく、一人ひとりの個性に合わせた関わり方を楽しめる人は、子どもたちからも信頼されやすいでしょう。
状況に合わせた臨機応変な対応力
現場では、予定していたプログラムがスムーズに進まないことや、子どもの体調・気分の変化によって急な対応が必要になることが多々あります。
マニュアル通りにいかない場面でも、焦らずに「今はこれならできるかな?」とその場の状況に合わせて柔軟に動ける力が必要です。
落ち着いて優先順位を判断し、機転を利かせられる人は、安全で安心できる支援の場を作る支えとなります。
チームで協力し合える協調性
支援はスタッフ全員で取り組むものなので、周囲との連携を大切にできる協調性も欠かせません。
他のスタッフやご家族、学校関係者としっかり情報を共有し、みんなで同じ方向を向いて進んでいける姿勢が大切です。
お互いを尊重し合いながら、子どもの状況に合わせて役割を分担し、円滑な協力体制を築くことが一貫した支援につながります。
個々のペースに寄り添う粘り強さ
子どもの発達の過程や変化の現れ方は、一人ひとり異なります。
そのため、画一的な結果を急ぐのではなく、長期的な視点で変化を見守る粘り強さが必要です。
本人のペースに根気よく寄り添い、周囲が気づかないような小さな変化や兆しを見逃さずに共有できる人は、日々の支援の中で確かな手応えを感じることができるはずです。
まとめ
放課後等デイサービスは、子どもたちの個性を尊重し、未来への可能性を広げる大切な仕事です。
仕事内容は直接的なケアから、保護者対応、事務作業まで幅広く、根気強さや柔軟性が求められますが、その分、子どもの成長を一番近くで見守れる喜びがあります。給与面も制度によって改善が進んでいます。
子どもが好きで、誰かの人生の支えになりたいと考えている方にとって、放課後等デイサービスでの仕事は非常に魅力的な選択肢となるはずです。
なお、弊社では、教育業界専門の転職エージェント「Education Career」を運営しております。
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