2020-02-13 2024-09-17
GIGAスクール構想とは、1人1台端末と通信ネットワークを整備する文科省の方針
「GIGAスクール構想」という言葉を最近よく耳にするようになりました。
これは文部科学省が教育のICT化を推進するために打ち出した計画の全体像です。
この記事では「GIGAスクール構想」とは何か、今後どのように進められていく予定なのかを、文部科学省の資料をもとに解説します。
この記事の監修者
Education Career 編集部
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目次
GIGAスクール構想とは1人1台端末環境と通信ネットワークを整備する方針

「GIGAスクール構想」の「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All」の頭文字を取って「GIGA」と略しています。
これは「全ての人にグローバルで革新的な入り口を」という意味ですが、「誰一人取り残すことなく、子どもたち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現」を目指した施策であるとされています。
社会のデジタル化が進む中で、現在日本の学校のICT環境は諸外国に比べても整備が遅れており、自治体間の格差も大きいのが現状です。
萩生田文部科学大臣は「1人1台端末環境」は令和の学校においてはもはやスタンダードであるとし、その実現のためにハード面・ソフト面・指導体制の3方面から教育改革を行っていく「GIGAスクール構想」を打ち出しました。
この構想のもと「児童生徒への1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費」が令和元年度補正予算案に盛り込まれ、2,318億円の予算が2019年12月13日に閣議決定されました。
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GIGAスクール構想の事業概要

1人1台端末環境の実現を目指す「GIGAスクール構想」は、
- ハード面
- ソフト面
- 指導体制
の3方面で方針が示されています。
「ハード面」としては端末やネットワークの整備、「ソフト面」としてはデジタル教科書や教材の活用促進、ICTを活用した学習活動の例の提示、「指導体制」としては教員養成や教員研修でICTを活用した授業例を盛り込むといった施策が示されています。
ハード面の施策として、大きく2つの事業、
- 「校内通信ネットワーク整備」
- 「児童生徒1人1台端末の整備」
が盛り込まれています。
校内通信ネットワーク整備事業
1人1台端末を前提とした高速大容量の通信ネットワークを整備することが目標です。
希望する全ての小・中・特別支援・高等学校等における校内LANの整備と、小中学校・特別支援学校等に電源キャビネットの整備を行う方針です。
児童生徒1人1台端末の整備事業
国公私立の小中・特別支援学校等に、児童生徒が使用する PC端末を整備する方針です。
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GIGAスクール構想が提唱された背景
「GIGAスクール構想」が提唱された背景には、Society5.0時代の到来と言われるように社会構造が大きく変化する中、子どもたちに求められる能力が変化していることがあります。
外国にルーツを持つために日本語指導を必要としている生徒や発達障害を抱えた生徒など、多様な子どもたちの存在が認知されるようになりました。
この中で、子どもたちに公正に個別最適化された学びを提供し、求められる能力の育成を実現するために、ICTを活用した教育が1つの手段として注目されています。
国際調査によって、日本の学校は諸外国に比べてICT活用が遅れていることが明らかになったことも、GIGAスクール構想提唱の背景になっています。
2018年PISA調査の質問調査から、日本の生徒が学校でデジタル機器を利用している時間はOECD加盟国中最下位であることがわかりました。
学校外でのデジタル機器の利用も、ネット上でのチャットやゲームでの利用が多く、コンピュータを使って宿題をする頻度はOECD加盟国中最下位でした。
また、2018年度のPISA調査では、「読解力」について前回調査から平均得点・順位が低下しました。低下の要因の1つとして、日本の児童生徒は「情報活用能力」や「情報の信憑性を評価する力」を問う問題の正答率が低かったことが挙げられます。
この調査結果から日本は国際的に教育ICT化が遅れており、環境整備が急務であることが発覚しました。
GIGAスクール構想の予算と措置要件

1人1台端末の実現を掲げた「GIGAスクール構想」ですが、ハード面の整備には資金が必要です。
この構想では、以下の国庫補助や地方財政措置が定められています。
「GIGAスクール構想の実現」に向けた校内通信ネットワーク整備事業
校内通信ネットワーク整備事業では施設整備費は国庫補助の対象となり、実際のインターネット接続や通信費用は地方財政措置でまかなう構想です。
※2018年度から「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」が実施されており、この計画で一定額の地方財政措置が講じられています。
予算
令和元年度の補正予算案としては、2,318億円が計上されました。
内訳としては、公立学校に2,173億円、私立学校に119億円、国立学校に26億円が配当されています。
対象の学校
公立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校
※電源キャビネットは義務教育課程のみが対象
補助対象機器
- 校内LAN整備工事
- ケーブル、サーバー、ルーター、ハブ、情報コンセント、ソフトなど
- 校内LAN整備に必要となる内部改造工事費
- 校内LANを設置するための設計・調査など、この事業と一体不可分となる経費
- 電源キャビネット
- 電源キャビネット整備にかかる工事費
- 電源キャビネット整備に必要となる内部改造工事費
- 電源キャビネット整備と一体不可分となる経費
金額
- 上限額:3,000万円(学校単位)
- 下限額:400万円(設置者単位)※下限額は現在調整中
1校あたりのネットワーク整備の所要額は約900万円を想定して予算が組まれています。
これは12教室3階建て校舎に電源キャビネットの整備を含めた想定となっており、学校の規模や現状等を踏まえ、適正に見積をするよう文部科学省は指示しています。
算定方法
校内LAN整備工事、電源キャビネット整備工事ごとに、設置者(都道府県立学校は都道府県、市区町村立学校は市区町村)単位で実工事費(設置者の積算額など)としています。
「GIGAスクール構想の実現」に向けた児童生徒1人1台端末の整備事業
1人1台端末の整備事業としては、「機器整備」は国庫補助、大型刑事装置やICT支援員の雇用、教師用端末などについては地方財政措置を取る構想です。
補助対象機器等
- 学習者用コンピュータ
- タブレット型コンピュータを含む可動式学習者用コンピュータ
- 機器の運搬搬入費、機器の設置・据え付け費用
算定方法
設置者(都道府県立学校は都道府県、市区町村立学校は市区町村)単位で実費(設置者の積算額など)としています。
算定範囲として、1台4.5万円を上限に購入費相当額を補助するとしています。
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GIGAスクール構想の実現に向けた今後のスケジュール
2018年度から進められていた「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」や、2020年度には小学校、2021年度には中学校で実施される新学習指導要領の方針(プログラミング教育の普及やデジタル教科書の導入拡大)と並行して、教育のICT化を進めていく方針です。
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まとめ

- GIGAスクール構想とは1人1台端末環境の整備と校内通信ネットワークを整備する方針を示したもの
- GIGAスクール構想が提唱された背景には、社会構造の変化と日本の教育のICT化が遅れが挙げられる
- GIGAスクール構想の実現に向け国や地方自治体の財政補助が示されている
- GIGAスクール構想は新学習指導要領や教育のICT化を進める様々な政策と並行して実現を目指す方針
この記事では、「GIGAスクール構想」について概要や背景、予算などについてまとめました。
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