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2019-08-19

イマージョン教育について解説!外国語を使って言語以外の教科を学ぶ勉強方法

英語教育に関心をお持ちの方や海外の教育方法に興味のある方は「イマージョン教育」という言葉を知っているかもしれません。

イマージョン教育とは、外国語をあくまで手段として、言語以外の教科を学ぶ外国語学習方法のことです。

この記事では、イマージョン教育の概要や種類、メリット・デメリットなどについて解説します。

イマージョン教育は外国語を手段として、他の科目を学習すること

イマージョン教育とは、外国語を教科としてではなく、手段としてその他の教科を学習する教育方法のことです。

イマージョン(immersion)は、日本語で「浸す」という意味です。

イマージョン教育では、幼いころから外国語環境に浸し、教科学習と外国語学習を同時に行います。

母国語以外の言語であればイマージョン教育と呼ばれ、日本では英語で行うものをイマージョン教育と呼ぶのが一般的です。

イマージョン教育の種類

イマージョン教育は、分類の仕方によって多くの種類が存在します。

分類方法の1つに、年齢があります。

イマージョン教育は、開始する時期の年齢で以下のような3段階にわけられます。

  • 早期イマージョン:幼稚園から小学校3年生まで
  • 中期イマージョン:小学校4年生から6年生まで
  • 後期イマージョン:中学生から高校生まで

続いて、母語と目標言語の比率によってわけられます。

  • 完全イマージョン:全ての教科に目標言語を適用する教育方法
  • 部分イマージョン:一部の教科でのみ目標言語を適用する教育方法。
  • 二言語同時学習イマージョン:半分英語、半分日本語で生活しようという教育方法。一部の教科の他に、日本の伝統文化(茶道、書道など)を日本語で学ぶ機会を設けるなどする教育方法。
  • 双方向イマージョン:主流言語を母語とする生徒と、習得目標言語を母語とする生徒が半々で授業に参加するという教育方法。移民の多いアメリカで発達したイマージョン教育。

この分類は、抽象的な概念であり、言葉の定義が横断的にまたがっています。

イマージョン教育の歴史

ここでは、イマージョン教育が始まった背景と、日本での導入について説明します。

イマージョン教育の始まりはカナダ

イマージョン教育は、1965年にカナダの幼稚園で初めて導入されました。

カナダにあるフランス語圏のケベック州の幼稚園で「第二外国語としてでは、子どもがフランス語を身に付けられない」と保護者が意見したことから始まったのがイマージョン教育です。

その後、1970年代にアメリカで導入され欧米を中心に拡大していきました。

日本での導入は1992年

日本では、1992年に静岡の加藤学園暁秀初等学校で、初めて本格的なイマージョン教育が導入されました。

その後、2005年にはぐんま国際アカデミーが開校しました。

加藤学園暁秀初等学校とぐんま国際アカデミーは現在、小中高一貫のイマージョン教育を行っています。

次項以降、日本におけるイマージョン教育に限定して解説していきます。

イマージョン教育のメリット

イマージョン教育のメリットはいくつか考えられますが、ここでは2つのメリットを紹介します。

  1. 英語力の向上
  2. ものごとに対する理解力の向上

1点目は、英語力の向上です。

イマージョン教育において、ネイティブスピーカーが正しい発音を教え、英語による他教科の学習で日常に近い英語を学ぶことができるため、一般的な学校教育の英語指導よりも効率よく英語を学習できます。

2点目は、ものごとに対する理解力の向上です。

2つの言葉を同時に吸収することで、言葉に対する意識が高くなり、文化の違いについても敏感になると言われています。

また、2言語間での比較によって、思考力・洞察力が向上していくとも言われています。

イマージョン教育のデメリット

イマージョン教育には、デメリットも存在します。ここでは、2つのデメリットを紹介します。

  1. 高額である
  2. 日本語の読み書きが中途半端になる可能性がある

1点目は、高額であることです。

学校は、ネイティブスピーカーで言語以外の教科を指導できる講師を採用する必要があります。

一般的な教材では指導が難しく、独自に開発している学校も少なくありません。

これらの理由から、費用が高額となってしまっているのが現状で、これはデメリットとして挙げられるでしょう。

2点目は、日本語の読み書きが中途半端になる可能性があることです。

イマージョン教育を受ける生徒が英語で読み書きしている場面で、一般の学校教育を受ける生徒は日本語で読み書きをしています。

日本語に触れる機会が少ないため、このデメリットは避けられません。

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日本でイマージョン教育を受けられる学校

イマージョン教育を導入している学校は、2019年現在の日本ではあまり多くありません。

ここでは、イマージョン教育が受けられる学校の例として、

  • 【幼稚園~高校】加藤学園(静岡)
  • 【幼稚園・小学校】多摩川学園(東京)
  • 【小学校】LCA国際小学校(神奈川)

上記の3校を紹介します。

加藤学園

加藤学園のホームページ

http://bi-lingual.com/

加藤学園は、日本で初めてイマージョン教育を導入した学校です。

加藤学園では、幼稚園から高等学校までの一貫教育を提供しています。

幼稚園・小学校はイマージョンコース、中学校・高等学校ではバイリンガルコースが設置されています。

小学校の授業では、算数・理科・生活等の科目を英語で学習し、1日の学校生活の半分以上を英語で過ごします。

玉川学園

玉川学園のホームページ

https://www.tamagawa.jp/

玉川学園の幼稚部と小学部では、バイリンガル教育プログラムが設置されています。

幼稚部では、年少から英語に触れる機会が設定されており、学年が上がるにつれて英語での発信が増えていく教育プログラムとなっています。

小学部では、英語の授業は英語のみ、国語と社会は日本語、それ以外の科目をバイリンガルで指導しています。

日本語を確実に身に付け、その上で英語を身に付けていくという教育方針です。

LCA国際小学校

LCA国際小学校のホームページ

https://elementary.lca.ed.jp/

LCA国際小学校は、アクティブイマージョン教育と称した独自の教育プログラムを提供しています

この教育プログラムで重視されている点は、あくまで日本人として英語を学び、日本人としてのアイデンティティを見失わないことにあります。

例えば国語で、古典や伝統文化に触れる機会を設けていることが特徴です。

特徴的な制度として、放課後は英会話スクールや学習塾に通うことが禁止されています。

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まとめ

  • イマージョン教育とは、外国語を手段に、言語以外の教科を学ぶ外国語学習方法のこと
  • イマージョン教育とに言っても、英語を活用する程度は学校によって様々
  • イマージョン教育はメリットも多いが、日本語教育が中途半端になりやすい等のデメリットもある

イマージョン教育は、日本語か外国語のいずれかを選択するというものではなく、同時に学んでいくという教育方法です。

この趣旨の理解の普及が、日本でイマージョン教育を推進するための課題となっていると考えられます。

今後、イマージョン教育に関するカリキュラムの策定、教材の開発・提供、ネイティブスピーカーの確保といった課題の解決が必要になってくると考えられます。

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