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2019-09-03

シュタイナー教育とは、1人1人の個性を尊重し能力を最大限に引き出す教育

シュタイナー教育は、俳優の斎藤工さんが学んだことで話題になりました。

その歴史は古く、1900年代のドイツで誕生してから100年たっています。

現在では世界的にシュタイナー教育の波及が進んでおり、日本にもシュタイナー教育を導入する学校があります。

この記事では、シュタイナー教育の概要や教育目的、歴史について説明しています。

シュタイナー教育とは、1人1人の個性を尊重する教育

シュタイナー教育とは、一人ひとりの個性を尊重し、個人の能力を最大限に引き出す教育です。

体・心・頭のバランスを重視し、年齢段階に合わせた教育方法が提唱されています。

シュタイナー教育の特徴的な教育方法として、例えば、テレビやキャラクターものの禁止などがあります。

シュタイナー教育は、教育学よりも人間学に近いものであり、スピリチュアルな要素が多く取り入れられています。

シュタイナー教育の考え方

シュタイナー教育の根本的な考え方は、自由な生き方ができる人間を育てることです。

これは、決して自分勝手という意味ではなく、自らの意思によって行動できる人物を指します。

小さな子供には刺激を与えないようにし、安心感が得られる環境づくりを重視しています。

例えば、家具に自然素材のものを使用したり、温かみのあるピンクなどの壁紙やカーテンを使うことが推奨されています。

また、生活リズムを整え、同じ時間・曜日・季節に同じイベントを繰り返すことで子どもに安心感をもたらすとしています。

シュタイナー教育は、あくまで人間形成が目的であり、学力を上げることが目的ではありません。

一方で、一貫した自分の考え方を持って育つので、大学入試選抜方法の1つであるAO入試(人物評価)に強い生徒が多いようです。

シュタイナー教育は成長を7年周期で捉える

シュタイナー教育では成長の節目を7年周期で考え、0~21歳を3分割して、その時期ごとに重視するものを変えます。

以下で、時期ごとにそれぞれの教育の特徴などを説明します。

0~7歳:体を動かし、「意思」を育む

0~7歳の間は、「体」を育てることが重要な時期とされています。

手足をたくさん動かすことを重視し、勉強やテレビを取り除いて教育します。

自分の意図した動きをするという経験が、想像力の発達にもつながるとされています。

7歳以下の子どもは記憶力が育っていないため、言葉で何か教え込むのではなく、大人の真似をさせることで教育することも重視しています。

8~14歳:「心」や「感情」を育む

8~14歳の間は、「心」を育てることが重要な時期としています。

音楽や美術、詩など、多くの芸術に触れることで感情を豊かにする体験をすることが重要だとしています。

15~21歳:「思考」や「自我」を育む

15~21歳の間は、「頭」を育てることが重要な時期としています。

思考力を養うため、一般教養だけでなく高等数学や論文の書き方なども学び、パソコン・ネット・テレビなどにもこの段階で触れます。

シュタイナー教育の最初の学校はドイツで誕生

シュタイナー教育は、オーストリア生まれの哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育方法です。

1919年ドイツで、初めてシュタイナー教育を導入した学校「自由ヴァルドルフ学校」が設立されました。

「自由ヴァルドルフ学校」は元々、たばこ工場の労働者の子どもたちに教育を提供するための学校でした。

当時のドイツでは珍しい男女共学校で、教員の自由を尊重して校長を置かない協和的な独自の運営スタイルをとっていました。

シュタイナー教育は、その後欧米を中心に波及し、2019年現在では世界60か国に1,039校あるとされています。

日本では1987年にシュタイナー学校が設立

日本におけるシュタイナー教育は、1980年代に導入され始めました。

日本初のシュタイナー学校「東京シュタイナーシューレ」は、1987年に設立されました。

「東京シュタイナーシューレ」は不登校児童の居場所の目的で設立され、フリースクールの先駆けとなりました。

ヴァルドルフ/シュタイナー教育100周年のホームページによると、2017年当時、日本全国に全日制のシュタイナー学校が7校、37の幼児教育施設があったそうです。

シュタイナー教育の内容

内容はシュタイナー教育の考え方に基づき、教育者により様々

シュタイナー教育の具体的な内容は、学校・教育者によって様々です。

教育指針はシュタイナー教育に基づきますが、あくまで考え方であり具体的な教育プログラムが示されているわけではないため、扱う教材や学ぶ環境などが学校によって異なります。

ここでは、シュタイナー教育に共通している

  • 一貫した教育課程
  • 芸術活動を通して学ぶ
  • エポック授業

という特徴的な教育内容について、以下で紹介します。

一貫した教育課程

シュタイナー教育の教育課程は、初等教育と中等教育を分断せず、12年間一貫です。

また、子どもの扱いが難しくなるとされている思春期までの8年間は原則同じ担任がクラスを持ちます。

芸術活動を通じて学ぶ

シュタイナー教育の特徴として、教育を「感情や意思に働きかける総合芸術」と捉えている点があります。

シュタイナーが生み出した科目「オイリュトミー」「フォルメン」はその代表的なものです。

オイリュトミー

オイリュトミーとは、音楽に合わせて体を動かし、図形や感情を表現する科目のことです。

オイリュトミーは、「美しいリズム」という意味でシュタイナーが生み出した運動芸術です。

自然で美しい身振りや他者との調和を学ぶことを目的としています。

フォルメン

フォルメンとは、直線・曲線・渦巻きなどで構成された、幾何学模様を色を使って描画し集中力を養ったり指先を訓練する科目のことです。

こちらも、オイリュトミー同様、シュタイナーが考案した芸術教育です。

数学や美術の基礎的学習として位置付けています。

エポック授業

エポック授業とは、小中高すべての学年の1時間目に毎日行われる110分の授業で、国語、算数、理科、社会にあたる教科を2~4週間にわたって集中して学ぶ授業のことです。

授業後にはA4サイズの練習帳に生徒自身が授業をまとめたエポックノートを毎回書き、発表を行います。

シュタイナー教育とモンテッソーリ教育

シュタイナー教育と対比される教育方法に、モンテッソーリ教育があります。

ここでは、そのモンテッソーリ教育の考え方や、シュタイナー教育との違いについて説明します。

モンテッソーリ教育を考案したのは、イタリア出身の医師マリア・モンテッソーリです。

1907年に設立された、貧しい家庭の子どもを預かる保育施設「子どもの家」に勤務していた際、同教育方法が確立したと言われています。

モンテッソーリ教育の目的は、日本モンテッソーリ教育綜合研究所によると、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」こととされています。

モンテッソーリ教育の前提には「自己教育力」があります。

「自己教育力」とは、子ども自身に元々備わっている、自らを成長発達させる力のことを言います。

これを子どもが充分に発揮できる環境づくりが、モンテッソーリ教育において重要視されています。

以下で、シュタイナー教育とモンテッソーリ教育を表にしてまとめています。

シュタイナー教育 モンテッソーリ教育
考案者 ルドルフ・シュタイナー(哲学者) マリア・モンテッソーリ(医師)
教育目的 自由な生き方ができる人間を育てること 自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てること
日本への導入時期 1980年代 1960年代
日本にある学校数 全日制学校7校、園は37園以上 100園以上

2つの教育の共通点は、教育目的が学力向上ではなく、人間形成にあることです。

また、シュタイナー教育であれば0~21歳、モンテッソーリ教育であれば0~24歳までと、一般的に成人と言える年齢以降も教育課程に組み込まれていることも共通点として挙げられます。

異なる点としては、シュタイナー教育が教師の役割を重視するのに対し、モンテッソーリ教育の場合は教師を環境の一部と考えることが挙げられます。

また、日本ではシュタイナー教育を導入する学校が数校ありますが、モンテッソーリ教育を導入する学校は2019年現在ではありません。

まとめ

  • シュタイナー教育とは一人ひとりの個性を尊重し、個人の能力を最大限に引き出す教育
  • シュタイナー教育の目的は、自由な生き方ができる人間を育てること
  • 日本では1980年代に初めてシュタイナー学校が設立された

シュタイナー教育は歴史ある考え方で、世界的にみるとシュタイナー学校は60数か国、1,000校を超えるなど広がりを見せています。

今後日本では、教育の多様化の中で注目されていく考え方であると考えられます。

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