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2019-07-30

国際バカロレアとは?スイス発祥の国際的な教育プログラム

「国際バカロレア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

海外教育やキャリア教育に関心のある方は、聞いたことのある言葉かもしれません。

一方、言葉自体は聞いたことがあっても、意味はよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

国際バカロレアとは、国際バカロレア機構が認定している新しい教育プログラムのことです。大学進学の際に活用できる資格が得られることもあり、海外を中心に関心が高まっています。

日本においても、政府の推進政策に組み込まれており、各学校での認定が進んでいます。

ここでは、国際バカロレアの教育方針やプログラムの中身、日本での実施状況などについて説明しています。

これを読めば、国際バカロレアについての理解が深まり、なぜ注目を集めているのかがわかります。

国際バカロレアとは国際的な教育プログラム

国際バカロレアとは、国際バカロレア機構が認定・提供している、国際的な教育プログラムのことです。

英語で「International Baccalaureate」と書き、IBと省略して使われることもあります。

国際バカロレアが課している試験に合格すると、ディプロマ(認定証書)が得られます。

国際バカロレアは海外を中心に注目を集めており、ディプロマは世界75か国以上の大学入試において活用されています。

国際バカロレアが目指す10の人物像

国際バカロレアには、「IBの学習者像」が定められています。これは「IBの使命」を具体化したものです。

IBの使命」は以下の内容です。

国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。

この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。

IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。

IB認定校が価値を置く人間性を、IBの学習者像」として、以下のような10の人物像としています。

  1. 探求する人
  2. 知識のある人
  3. 考える人
  4. コミュニケーションができる人
  5. 信念をもつ人
  6. 心を開く人
  7. 思いやりのある人
  8. 挑戦する人
  9. バランスのとれた人
  10. 振り返りができる人

IBプログラムは、こういった学習者像を念頭に、国際的な視野を持つ人間の育成を目指しています。

国際バカロレアは1968年に始まった

IBディプロマプログラム(DP)は、1968年にチャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして創設されました。

創設目的は、世界の複雑さを理解し、それに対処できる生徒を育成することです。

1968年にDPが始まり、1994年に「IB中等教育プログラム」(MYP)、1997年に「IB初等教育プログラム」(PYP)が設置されました。

2012年には、16~19歳に対する新たな国際教育の選択肢として「IBキャリア関連教育サーティフィケイト」(IBCC)が創設・提供されています。

国際バカロレアの4つのプログラム

国際バカロレアは、対象となる年齢ごとに4つのプログラムに分かれています。以下でプログラムごとの教育内容を説明します。

3~12歳対象のPYP

PYP (Primary Years Programme)は、世界に1,658校、日本に27校あります。

PYPでは、さまざまな教科を通じて知識・概念・スキルを身につけ、それらを活用してグローバルな重要性をもつ教科横断的な6つのテーマを研究します。

精神と身体の両方を発達させることを重視したプログラムです。

11~16歳対象のMYP

MYP(Middle Years Programme)は、世界に1,488校、日本国内に16校あります。

MYPでは、幅広い教科学習に加えて、2つ以上の専門分野を組み合わせた、学際的な理解を新たな構築を行います。青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラムです。

16~19歳対象、海外大学受験にも使われるDP

DP(Diploma Programme)は、世界に3,340校、日本国内には38校あります。

DPでは、多様な科目の学習のほか、DPの中核的要素「コア」を構成する「創造性・活動・奉仕」を通じて、各自が身体的活動や創造的活動を展開します。

所定のカリキュラムを2年間履修し、最終経験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)を取得することができます。

16~19歳対象、キャリア教育に関連するIBCP

IBCP(International Baccalaureate Career-related Programme)は、世界に180校あります。

「コア」の構成要素がDP科目とキャリア関連学習をつないでおり、カリキュラム全体において理解を深められる内容となっています。

生徒のキャリア形成に役立つスキルの習得を重視したキャリア教育・職業教育に関連したプログラムです。

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国際バカロレアが注目される背景

国際バカロレアは、1968年にスイスのジュネーブに設立されました。グローバル人材育成を目的として、世界各国で認定が進んでいます。

日本では、1979年に国際バカロレア資格の取り組みが初めて実施されました。

同年より、大学入学資格に関し、学校教育法に基づき国際バカロレア資格を有する者で18歳に達した者を、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者として指定することとなりました。

その後、国際バカロレア機構の協力により、DPの科目の一部を日本語でも実施可能となりました。

日本政府は「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」に基づき、国内の国際バカロレア認定校を2018年までに200校にすることを目指していました。

ですが、この目標は未達となり、2020年度までに認定校を200校まで拡大させる目標が策定されました。

2019年7月現在も文部科学省と各教育機関によって、国際バカロレアを推進していく流れが続いています。

国際バカロレア認定校とは

世界153以上の国と地域に約5,000校の認定校がある

国際バカロレアの認定を受けている学校は、2019年3月時点で、世界153以上の国・地域において約5,000校あります。

現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施しています。

日本には現在73校の認定校がある

日本には、IBプログラム認定校数73校(うちPYP実施校37校、MYP実施校18校、DP実施校45校)あります。

日本の国際バカロレア認定校は、1条校とインターナショナルスクールの2つにわけられます。

1条校とインターナショナルスクールの違い

1条校とは、学校教育法第1条で規定されている学校のことです。

学校教育法等関係法令と国際バカロレア機構の定める教育課程の双方を満たすと、国際バカロレア認定校となります

2019年7月時点で、日本における認定校のうち1条校は37校あります。候補校も含めると139校です。

一方、インターナショナルスクールとは、学校教育法に定められていない教育施設のことを言います。

元々、日本在住の外国籍の児童が教育を受ける機関として設立されたようです。現在では、帰国児童も在籍していますが、欧米の教育、英語による教育を受ける教育施設という認識が強まっています。

なお、一部のインターナショナルスクールでは、日本の高等学校の卒業資格を得ることはできません。

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国際バカロレアを教える指導者になるには

必要な資格はないが、ワークショップへの参加が望ましい

IB教員になるのに必要な資格は特にありませんが、国際バカロレア機構は「IB認定校の教員等に関する要件について」のなかで、認定校の教員等に対し以下のいずれかを求めています。

  • IB主催のワークショップへの参加
  • 大学等のIB研究コースの修了等による認定書の取得

また、IB教員養成コースの大学への設置が推進されています。

1条校の教員になる場合には、ワークショップへの参加や養成コースの受講に加えて、教員免許の取得が必要です。

ワークショップの内容

ワークショップは、研修のレベルにより、3つのカテゴリーに分けられています。IBに対する理解度向上と認定プロセスに合わせて受講しましょう。

以下でカテゴリーごとに簡単に紹介します。

カテゴリー1

申請を決めた学校に向けに、専門的能力や支援を提供する内容です。原則として、このワークショップを受講すると、IBの教育者としての資格を得ることができます。

カテゴリー2

経験のあるIB教育者向けに、プログラムの実施に焦点を当てたフォーラムです。

カテゴリー3

経験のあるIB教育者向けに、専門的な能力を構成・強化するためのフォーラムです。

IB候補校の申請前には、まず校長等の管理者がカテゴリー1のワークショップに参加し、その後学校の教員とIBコーディネーターになる者も必要なワークショップを受講する必要があります。

ワークショップへの参加申し込み方法

国際バカロレア機構のウェブサイトから、形式(オンラインもしくは対面)、トピック分野(PYP、MYP、DP、IBCP)等から検索し、ワークショップに申し込むことができます。

まとめ

国際バカロレアは、これまで紹介してきたように昨今注目を集めている教育プログラムです。

グローバル人材の育成や大学の国際化などの観点から、特に海外の大学を中心に入学試験の場で活用されています。

日本でもこういった国際動向に対応していくため、文部科学省がIB導入に向けた取り組みを進めており、例えば外国人材の活用や連絡協議会の設置などの取り組みを行っています。

今後も、国際バカロレアの推進活動は認定校数200校以上の目標に向けて、ますます進められていくでしょう。

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