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2019-07-18

教員採用試験に落ちた場合に取りうる選択肢、あきらめずに教員・教師になる方法

6月~9月頃にかけて、2019年度教員採用試験の1次試験が各地で実施されています。

この記事を読んでくださっている方の中には、今も教員採用試験に向けて一生懸命勉強をされている方もいらっしゃるかと思います。

まずはできる限り合格を目指し対策を行うのみですが、万が一合格できなかった場合のことを考えて不安に感じている方も少なくないでしょう。

そこで、この記事では残念ながら教員採用試験に合格できず、「どうしたらいいのかわからない」「不合格だった場合の進路を全く考えていなかった」という方のための様々な行動指針を例を挙げて説明しています。

まだ結果は出ていないけど、落ちてしまった場合を想定しておきたいという方もぜひ参考にしてみてください。

教員採用試験の倍率は4.9倍

受験者数 採用者数 競争率(倍率)
全体 160,667 32,985 4.9
小学校 51,197 15,934 3.2
中学校 54,266 7,988 6.8
高校 32,785 4,231 7.7

教員採用試験の競争率は年々下がってきていると言われています。

しかし、上の文部科学省の「平成30年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について」をまとめた表を見ると、全体の競争率は4.9倍であることがわかります。

学校区分ごとにみると中学校や高等学校の競争率が特に高いことがわかります。※全体の数には、小・中・高等学校のほかに、特別支援学校・養護教諭・栄養教諭の受験者数・採用者数が含まれています。

この数字からもわかるように、教員採用試験に合格し教員として採用されるのはだいたい5人に1人と、簡単なことではありません。

しかし、万が一落ちてしまった場合でも、再度教員採用試験を受ける方法はあります

実際に、不合格になってしまった方でも再チャレンジし、試験に合格、教員として働いている方も多くいらっしゃいます。

教員採用試験に落ちたらどうする?次の試験は1年後

教員採用試験が行われるのは年に1度です。

そのため、再度教員採用試験を受験するには1年後の試験に向けて計画的な準備が必要になります。

試験日程・受験資格を確認しよう

来年の試験にむけて、まずは試験日程をチェックしましょう。

試験日程は自治体によって異なるため、来年違う自治体の採用試験の受験を考える場合には注意が必要です。例年の実績からおおよその時期は推定することはできますが、3月頃に詳細の日程が発表されますので必ず確認しましょう。

また、受験資格の確認も必要です。自治体によっては受験可能な年齢に上限を設けている場合があります。この制限は校種や教科によって異なる場合もあるため、募集要項をチェックしましょう。

出願から、教師としての採用が決まる合格発表までの流れとおおよその時期としては以下を目安にしてください。

3月~5月 説明会実施、募集要項・出願書類配布期間
4月~6月 出願期間
7月 一次試験
7月~10月 一次試験結果発表
8月~10月 二次試験
9月~10月 合格発表

3月~5月に開催される説明会では「求める教師像」や試験の概要などが発表されるため、積極的に参加することをおすすめします。

4月~6月は出願期間です。早い地域では3月末から出願が始まります。近年は電子申請を取り入れている地域が多く、インターネットの扱いには慣れておく必要があります。

一次試験の合格発表からほどなくして二次試験が始まります。地域によっては、一次試験と二次試験の区別がないこともあります。

また、二次試験の日程は地域によってかなりバラバラです。内容は面接などが中心ですが、筆記試験がある地域もあります。

学習のスケジュールを立てよう

教員採用試験では、筆記試験や論作文試験だけでなく、面接試験、実技試験など多様な試験が課されるため、それぞれへの対策が必要です。

筆記試験対策を柱に、同時にその他の試験対策も並行して少しずつ進めていくのが合格への近道です。

教員採用試験に再度チャレンジする場合、自分の苦手分野や前回準備が追いつかなかったところを重点的に対策するとよいでしょう。

理想的な年間の学習スケジュールの例は以下のようになります。

11月~3月:基礎力を身に着ける

筆記試験対策 人物試験対策
  • 過去問題でおおまかな試験の傾向をチェック
  • 問題集や参考書での対策、答申や学習指導要領の通読
  • 模擬試験でレベルチェック
  • 面接試験、論作文試験の傾向をチェック
  • 自己分析、教育観・実践的指導法の確立
  • 時事的な話題のチェック

▶徹底解説!学習指導要領「生きる力」の内容と改訂のポイント

3月~5月半ば:実践力を身に着ける

筆記試験対策 人物試験対策
  • 志望する自治体の傾向を分析し、頻出分野を中心に学習
  • 応用、実践問題で苦手分野の補強
  • 面接試験・論作文の実践的練習
  • 時事的な話題のチェック

5月半ば~7月:学習内容・対策の仕上げ

筆記試験対策 人物試験対策
  • これまでの学習の総復習
  • 過去問題の反復練習
  • 苦手分野の対策
  • 自分の考えを適切に表現できるようにする
  • 時事的な話題のチェック

▶教員採用試験とは?試験内容や受験資格、社会人特別選考、競争率(倍率)、教員採用試験対策などについて紹介!

教員採用試験に落ちても、教師・講師になれる3つの方法

教員採用試験はあくまで公立学校の教師になるための試験であるため、教員採用試験に落ちてしまっても教師として教壇に立つ方法はあります

教師として現場で働いた経験は、次回の教員採用試験で有利になる場合があります。

教師として教壇に立つ方法としては、臨時的任用教員・非常勤講師として働く方法、私立学校の教員として働く方法、民間企業の教師・講師として働く方法の3つがあります。

臨時的任用教員・非常勤講師として働く

1つ目の方法は、「臨時的任用教員」または「非常勤講師」として学校で働くことです。

教員希望者にとっては、実際の現場を知ることができ、自分の教育観がより具体的に確立できるでしょう。

教員の採用担当者側にとっても、より即戦力に近い現場経験がある人を採用したいため、双方にとってプラスに働く選択肢と言えます。

臨時的任用教員・非常勤講師の違い

臨時的任用教員 非常勤講師
任用期間  採用年度内
勤務時間  常勤(正規教員とほぼ同じ)  非常勤(担当する授業のみ)
給与体系  月額制・ボーナスあり  時給制・ボーナスなし
担任  あり なし
部活動顧問  あり なし
兼業 不可

臨時的任用教員は、正規教員と勤務形態はほとんど変わりません。

担任をもつこともあり、中学校では部活動顧問を任されるケースもあります。委員会活動や進路指導、生徒指導といった校務分掌を担うこともあり、それらの会議にも出席します。

そのため給与も同年齢の正規教員とほぼ同じでボーナスも支給されます。正規教員との違いは雇用期間が区切られていることと、初任者研修に参加しないことなどです。

一方で非常勤講師は、自分が受け持つ授業を行うことのみが求められ、担任や部活動顧問、校務分掌などの仕事は原則として任されません。

そのため給料は担当した授業数に基づいて支払われます。非常勤講師のみで生計を立てるのは難しいですが、兼業は認められています。

このような実態を踏まえ、1年後の教員採用試験に向けて「臨時的任用教員」もしくは「非常勤講師」として働く場合のメリット・デメリットは以下のような内容が上げられます。

臨時的任用教員のメリットは、実際に教壇に立って授業をする経験ができることでしょう。これは、筆記試験や模擬授業には有利になると考えられます。また、長時間生徒や同僚と過ごすため学校の内実を知った上で自分の教育観も具体化されるため、この経験を面接や論作文に生かすことができます

デメリットとしては、4月1日から1次試験までは試験対策のためのまとまった時間がほとんどとれません。着任前の3月末までに試験対策を進めていく必要があります。

非常勤講師のメリットは、実際に教壇に立って授業をする経験ができ、筆記試験や模擬授業に有利になるのは臨時的任用教員と同じです。また、時間に余裕があるため試験対策のための時間を確保しやすいです。

デメリットとしては、非常勤講師のみでは生計を立てることが難しいため、アルバイト等の時間も必要になるかもしれません。その場合には計画的な対策が必要です。

このように臨時的任用教員と非常勤講師では仕事の実態がかなり違うため、これらの選択肢を考える際には自分に適した方がどれか考えて選択する必要があります。

臨時的任用教員・非常勤講師になる方法

臨時的任用教員・非常勤講師になる方法は自治体によって異なりますが、ここでは一般的な流れを紹介します。

  1. 各自治体の教育委員会のホームページ等を通じて必要書類を提出し、臨時的任用教員及び非常勤講師の名簿への登録を申請します。登録できる期間が限られている場合もあれば、年中募集している自治体もあります。
  2. 提出された書類は教育院会で管理・保管され、学校から要請があった際に、校種・教科等に応じて送付されます。<この段階で臨時的任用教員・非常勤講師への登録は完了です>
  3. 学校は要請に応じて送付された書類から、適任と判断した登録者に連絡を入れます。
  4. 校長や教育委員会担当者による採用選考(通常は面接)が行われます。
  5. 採用選考を通過すれば、臨時的任用教員・非常勤講師になることができます。

自治体によっては教員採用試験の出願書類に講師登録可否の記入欄を設けている場合があります。

その場合、記入欄に「登録可」と記入しておけば、教員採用試験不合格の際に自動的に臨時的任用教員及び非常勤講師の名簿に登録されます。

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私立学校の教員として働く

私立学校は各学校ごとに採用活動を行っており、1~3月あたりに教員募集を行っている学校があります。

こういった私立の学校は、教員採用試験の結果発表後に選考を受けることができる場合があります。

ただ、私学の採用選考は公立の教員採用試験とは異なる対策が求められるケースが多く、別での対策が必要です。

私立学校の教員の特徴

私立学校と公立学校の違いとしては、異動がないことが挙げられます。

公立学校では3~7年ほどで違う学校へ異動しますが、私立学校の場合は定年までの40年近くを同じ学校で勤めます。

また、私立学校の方が先進的な教育実践を行うことができたり、最先端の施設・設備が整っていることが多いようです。

一般的には私立学校の方が公立学校よりも自由度が高いと認識されていますが、学校教育法をはじめとする法規の多くは私立・公立関係なく適用されます。学習指導要領も適用されるため、それらに従う点は公立学校と同じです。

私立学校の教員の雇用形態

私立学校の教員の雇用形態は大きく3種類あります。

  1. 専任教諭:いわゆる正規雇用で、民間企業で言う正社員です。専任教諭として採用されると定年までその学校で勤めることができます。
  2. 常勤講師:専任教諭のように教科指導と生徒指導・校務分掌の両方を担当しますが、職責は専任教諭より低く、有期雇用です。
  3. 非常勤講師:授業のみを担当する有期雇用のパートタイム的な役割です。教科指導が主な業務で、基本的には授業時間のみ勤務し、校務分掌や学級担任を受け持つことはありません。

常勤講師は公立学校での臨時的任用教員に相当する職種ですが、私立学校ではこの常勤講師は専任教諭の前段階としての「試用期間」のような意味合いが含まれています。常勤講師として勤務し、その後同校の専任教諭になることも珍しくありません。

私立学校の教員になる方法

私立学校の教員の採用試験を受けるためには、大きく分けて3つの方法があります。

  1. スカウト型:自分の成績や履歴書を私立学校協会に預け、学校側から採用の連絡を待つ方法
  2. 就職活動型:私立学校がホームページなどで公開している求人を見つけて、直接応募する方法
  3. マッチング型:学校と教員志望者を結ぶ仲介会社を通して、希望する学校とのマッチングを行う方法

私立学校の採用試験では、筆記試験・面接試験・模擬授業などが行われます。

私立学校は学校単位の採用になるため、その学校の持つ教育理念や校風にマッチするかが選考において重視されます。また、私立学校の募集人数は年度につき2~3名程度です。

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民間企業の教師・講師として働く

民間企業の教師・講師として働く選択肢もあります。近年は民間の教育業界が成長しており、求人の数は少なくありません。

もっとも代表的な例としては、学習塾の講師として働くことです。

学習塾では勉強を教えることがメインと思われがちですが、学習塾に通う生徒の増加から、最近では生活面での指導を行うことも求められています。そのため、塾講師は「公務員の教師の民間版」と言っても過言ではありません。

塾講師は公務員とは違ってリストラの可能性があるため、安定や立場の保障があるというわけではありません。また、評価は学力の向上、志望校への合格と生徒からの人気が中心となり、実績が年収に影響する実績主義です。勤務時間は平日の遅い時間帯と休日が多い点も学校の教師とは異なります。

しかし、子どもと触れ合う点、わかりやすい授業を行うように工夫する点、生徒が勉強に前向きになれるよう生活面の教育を行う点などは、学校の教師と同じであると言えるでしょう。

民間企業の教師・講師になる方法

民間企業で就業する場合は企業と雇用契約を結ぶため、各企業の選考を通過する必要があります。

一方で、各企業の選考を通過すれば問題がないため、公務員の教師のように教員採用試験を受ける必要はありません。大学で教員免許を取得する必要もありません。(企業や職種によっては募集条件で教員免許を求められる場合はあります)

生徒に勉強を教えられる知識が求められるのはもちろんですが、コミュニケーション能力や人間性も求められ、この点を企業の選考過程では重視されます。

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公立学校での教師を目指す(教員採用試験合格を目指す)2つの方法

教員採用試験に落ちてしまっても、教師として働く方法があることを紹介してきました。

しかし、やはり公立学校の教師を目指したいという方も多いでしょう。

ここからは、公立学校での教師を目指し、来年の教員採用試験で合格を目指す人におすすめの2つの方法を紹介します。

大学院・教職大学院に進学、再度教員採用試験を受験する

最近では、大学院・教職大学院に進学し、再度教員採用試験を受験するという選択肢は珍しくありません。

学費はかかりますが、専門性を磨くことができ、在学1年目から教員採用試験を受けられるなどのメリットがあります。

大学院と教職大学院の違い

大学院と教職大学院の違いとして、以下が挙げられます。

大学院 教職大学院
学位 修士(専攻) 教職修士(専門職)
教育課程と方法 研究指導に重点 専門的技能習得に重点
修了要件 修士論文の提出が必要 修士論文の提出は必須ではない

大学院では、学術研究が重視されるため、研究指導に重点がおかれます。

一方の教職大学院では、教員としての専門的技能を高めるためのカリキュラムが組まれています。理論と実践のかけあわせを重視し、実習の機会が多く設けられているため、現場経験を詰むことができます。

専門職大学での授業は、事例研究や現地調査・フィールドワークなどがあります。

▶2019年4月に創設された専門職大学とは?大学・専門学校との違い、卒業後の進路など

専修免許を取得できると教員採用試験で有利になる

教員養成課程のある大学院または教職大学院に進学すると、専修免許状を取得することができます。

教員の普通免許状のレベルには「専修免許」「一種免許」「二種免許」があり、最も高い専門性を保障するのが専修免許です。

専修免許を取得すると、初任給が一種免許取得者よりも高くなります。また、専修免許を取得することで高い専門性が保障されるので、教員採用試験で有利になることがあります。

働きながら勉強して教員採用試験合格を目指す

もう1つの方法としては働きながら勉強し、教員採用試験合格を目指す方法です。

現実問題として、生活するためにはお金が必要です。教員採用試験に合格するために、予備校へ通ったり問題集を購入したり、金銭的な負担が発生することもあるでしょう。

そういった場合には、働きながら試験勉強を行うことになります。

教員採用試験には社会人経験があると優遇される社会人特別選考を受けられる場合もありますので、制度を活用して合格を目指す方法がおすすめです。

働き方は様々

業界・職種・勤務時間などを自由に選ぶことができます

教師・講師以外の職種を選ぶこともできますし、雇用形態も正社員かアルバイトか、フルタイムかシフト制かなどを自分で選んで働くことができます。

先述した臨時的任用教員や非常勤講師として働くのもこの方法の1つです。

社会人経験があれば、社会人特別選考を受けられる

近年では一般的な教員採用試験とは別に、民間企業での勤務経験を持つ社会人向けの特別選考を実施している自治体が増えています。

社会人特別選考の方法は自治体によって異なりますが、多くの自治体で一次試験の一般教養などの筆記試験を免除し、代わりに小論文や面接が課されるケースが多いです。

筆記試験などの受験対策にあまり時間を割けない社会人に配慮したものといえます。

資格要件も各自治体で異なりますが、民間企業などに「継続して5年以上」勤務していたことを条件にしている自治体が多いです。

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おわりに

教員採用試験に残念ながら落ちてしまった場合に、どのような選択肢があるのか紹介してきました。

最も一般的な選択肢としては、臨時的任用教員または非常勤講師になるケースですが、それ以外にも様々な選択肢があります。また、教師として活躍できる場所は公立学校だけに限らず、私立学校や民間企業の学習塾などもあります。

「自分はなぜ教師になりたいのか」「教師になって何がしたいのか」をもう一度よく考えてみると、働く場所や働き方の選択肢が広がるかもしれません。

次の教員採用試験までの1年間は、時間をどのように使うかが重要です。

特に考えるべきポイントは、生活するうえで必要な金銭面と学習時間を確保するために、最適な選択肢は何かということです。

教員採用試験に落ちてしまうと頭が真っ白になってしまうかと思いますが、自分にはどの選択肢が最適なのかを一度立ち止まって考えてみるといいかもしれません。

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