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2024-05-30 2024-09-17

GIGAスクール構想とは|目的・現状について解説

GIGAスクール構想は、「ICTの活用により全ての子供たちの学びを保障できる環境を実現する事」を目的として政府が掲げた方針です。

この記事では、GIGAスクール構想の概要・目的等について解説します。

この記事の監修者

網屋亮介

教員のキャリア支援に特に強みを持つキャリアアドバイザー。年間で数百名の教員とのキャリア面談を実施。学校法人や教育系の事業会社へ多数の転職支援の実績を持つ。教員特有のレジュメ作成、選考対策など教員の転職支援に強み。前職は旅行代理店、教員家系に育ち、2児の父。

GIGAスクール構想とは

GIGAスクール構想とは、「ICTの活用により全ての子供たちの学びを保障できる環境を実現する事」を目的として政府が掲げた方針です。GIGAは、「Global and Innovation Gateway for All」の略称です。

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の影響で、全国の学校が長期休校となったことを受けて急速に進められました。

GIGAスクール構想の実現に向け、以下のような支援・整備が行われています。

児童生徒の端末整備支援

・児童生徒向けの1人1台端末を整備
・障害のある児童生徒のための入手出力支援装置の整備

学校ネットワーク環境の全校整備

・高速大容量の通信ネットワークを整備

GIGAスクールサポーターの配置

・ICT化を進める自治体等を支援する為、ICT技術者の配置経費を支援

緊急時における家庭でのオンライン学習環境の整備

・家庭学習のための通信機器整備支援
・学校からの遠隔学習機能の教科
・オンライン学習システムの導入

参考:GIGAスクール構想の実現へ(令和2年度補正)

GIGAスクール構想の目的

GIGAスクール構想の目的としては、主に2つあります。

  • 新しい社会「Society5.0」に対応するため
  • 学校のICT環境・利活用状況を改善するため

それぞれの目的と背景について詳しく解説していきます。

新しい社会「Society5.0」に対応するため

現代の社会は、「狩猟社会」「農耕社会」「工業社会」「情報社会」に続く新しい5番目の社会と言われています。これが「Society5.0」と呼ばれるものです。

「Society5.0」では、世の中のあらゆるものがインターネットにつながるIoT化や、AI・ロボットの進化、ビッグデータの活用などの技術革新がより一層進み、人々の働き方やライフスタイルといった社会のあり方そのものが変化しています。

こうした社会の急激な変化の中で、職業のあり方にも大きな変化が起きています。

例えば、銀行業は、スマートフォン決済や店舗を持たないネット銀行の普及、インターネット取引の一般化などにより、銀行業務のスリム化やATM撤去といった動きが出てきました。

他にも、人間が行う仕事と機械に任せる作業が分かれてきている業種も多いです。

「子供たちの65%は将来、今は存在していない職業に就く」「今後10年~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い」という大学教授の予測もあり、学校はこうした未来社会に対応できる子どもたちを育てる教育環境を早急に整える必要があります。

そのためには、学校が社会の変化にしっかり対応してICT端末の活用やデータ活用、ICTを用いた学習指導を積極的に行っていく必要があると考えられています。

参考
「GIGAスクール構想の実現」とは
2030年の社会と子供たちの未来:文部科学省

学校のICT環境・利活用状況を改善するため

文部科学省が公開しているリーフレット「GIGAスクール構想の実現へ」によると、日本の学校の授業でデジタル機器を利用している時間は、OECD加盟国で最下位です。

使用時間はOECD加盟国の平均値の半分以下であり、日本の学校教育がICT化の流れに対応できていないことがわかります。

また、GIGAスクール構想の発表以前は、地域ごとのICT環境整備状況にかなり差があり、そもそもICTを活用した授業ができる状況ではない地域も多くありました。

こうした状況から、学校のICT環境整備を国主導で全国的に進めてからICTの利活用を充実させる必要があると判断され、政府からGIGAスクール構想が発表されました。

GIGAスクール構想の現状

2019年に提唱されたGIGAスクール構想は、2020年からの新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で全国の学校や教育機関が休校となったことを受け、ハード面の整備が当初の予定よりも早急に進められました。

ここでは、現時点でのGIGAスクール構想の現状について詳しく見ていきましょう。

小中学校の99.9%が令和4年度内に1人1台端末の整備完了

GIGAスクール構想の第一段階である児童生徒1人につき1台の端末整備は、令和4年度までに全自治体の公立小中学校の99.9%が完了しました。残る2自治体についても整備完了の方針が出されています。

公立高等学校においては、1人1台以上の端末整備が完了している自治体も多い一方で、まだ地域差が大きく十分な端末数が確保されていない自治体もあります。

参考
義務教育段階における1人1台端末の整備状況
高等学校における学習者用コンピュータの整備状況について

1人1台端末を授業で「ほぼ毎日」「週3回以上」活用する小学校が約9割

令和5年度の全国学力・学習状況調査によると、小学校における1人1台端末の授業での活用状況は「ほぼ毎日」「週3回以上」が合わせて約9割という高水準でした。特に「ほぼ毎日」と回答した人の割合は小中学校ともに去年から約7ポイント増加しています。

多くの校長が1人1台端末を導入したことによる効果を実感

文部科学省が行った端末の利活用状況の調査によると、1人1台端末を導入したことで個別最適な学び・協働的な学び、学習意欲、教員の働き方改革への効果を実感しているか、という問いに「とてもそう思う」「そう思う」と回答した公立小中学校の校長は9割以上にのぼります。特に「とてもそう思う」と回答した割合が大きく上昇しています。

参考:GIGAスクール構想を含む教育の情報化を通じた教育改革

GIGAスクール構想の課題・問題点

GIGAスクール構想の課題・問題点としては以下のような点があります。

  • 端末故障やネットワーク環境の不調により、授業に遅れや支障が生じる
  • 指導者用の端末が足りない
  • ICT端末活用についての研修やサポート体制が不十分
  • 効果的な指導方法がよくわかっていない教師が多い

参考:GIGAスクール構想を含む教育の情報化を通じた教育改革

これらを見ると、実際にICTを活用するにあたっての課題であることがわかります。今後は個々の端末故障や安定したネットワーク環境の整備といった細かいハード面の整備と、ICTを活用した指導法やICTの効果的な活用方法の普及が学校のICT化における重要な課題となっていくことでしょう。

まとめ

今回は、GIGAスクール構想の概要、目的、現状、課題等について解説してきました。

GIGAスクール構想は、新型コロナの影響もあり、1人1台端末などICT環境の整備は当初の計画よりも早く進捗しました。ネクストGIGA(GIGAスクール構想の次のフェーズ)では、ICT環境の更新や、GIGAスクール構想における好事例の共有・展開、学校間での活用差の解消に向けた取り組みが求められています。

関連記事:GIGAスクール構想とは、1人1台端末と通信ネットワークを整備する文科省の方針

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