2016-05-20 2018-12-27
クラウド型学習システムすららの誕生、MBO、黒字化までの道のり、今後の展開を聞く(PR)
前回までのインタビュー記事では、「すらら」を利用して独立した方、「すらら」を利用して独立することのメリット、特徴をインタビューで伺った。
参考記事
「すらら」では上記のような取り組みと同時に、慶応義塾大学や一橋大学とともに、AIを用いて生徒のモチベーションを高める研究や、どういったチームを構成することが学習にプラスに働くかなどを研究している。
こういった研究は、「すらら」の全国の導入校の協力で行われ、さらにその結果が全国の「すらら」導入校に反映されていく。
参考記事:
- すららネット、「すらら」に人工知能を搭載し、慶應義塾大学と共同研究開始。生徒のモチベーションへの影響を調査
- チームで学習すると学習生産性が14~20%向上。すららネット、子どもの学習に関する慶大・一橋大との研究結果発表
また、海外展開にも力を入れており、スリランカではマイクロファイナンスの仕組みを用いて、インドネシアでは現地の国立大学と組んで、積極展開を行っている。
参考記事:
3回目となるインタビューでは、すららネットが生まれた背景や、上記のような今後のサービス展開について株式会社すららネット代表取締役の湯野川氏にインタビューを行った。

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この記事の監修者
佐久間 健光
株式会社ファンオブライフ取締役兼創業者 前職ではオンライン学習サービスの立ち上げ・事業推進を行う。2015年、教育業界専門の転職エージェント「Education Career」を運営する株式会社ファンオブライフを創業。大手~スタートアップなど多様な教育事業社の採用支援、年間数百名の教育業界出身者のキャリア支援を行う。
講師に依存した指導レベル、高額な月謝、個別指導塾の問題点をすららで解決。新しい形の学習塾を世の中に広める

ーー「すらら」を立ち上げたわけ、きっかけを教えて下さい
もともと前職のベンチャーリンクでは、新規事業の担当役員をしていました。飲食店チェーンやフィットネスジムの事業展開の立ち上げを行っていました。その中で2004年に個別指導塾チェーンを担当したことがあったんです。その時に会社として個別指導塾の加盟店になって経営したことがありました。そのときは、1年半で、生徒数で400校の2位、3位まで行きました。
ーー個別指導塾でうまくいったんですね。なぜそこから「すらら」に発展したのでしょうか。
ビジネスとしては上手くいきました。ただ、うまくいかなかったのは、生徒の成績をしっかり上げるという点です。
個別指導塾ですので、その塾では学生アルバイトが教えていました。そうなるとどうしても教務品質がばらついてしまいます。
また、個別指導塾は、集合塾に比べれば月謝が高いので、成績のためにコマを増やすことが必要でも、家庭の経済事情で難しいことがありました。そうすると成績は上がりません。アルバイトの先生に教務品質が依存してしまうことと、高額な月謝が個別指導塾で成績を上げる上での問題点であることに気がつきました。
そこで、講師の個人のレベルに依存せず、リーズナブルな価格で提供できる学習サービスができないかと考えました。
ひょっとしたらeラーニングだったらできるのではと思って始めたのが、すらら誕生のきっかけです。2005年から「すらら」のシステムを作って、「すらら」だけで指導をする塾を作ったんです。だから最初は、上場企業の新規事業として始まったんですよ。
ーー手応えを感じたのはどんなときでしょうか
システムができた段階で、「すらら」だけで教える塾を開校しました。始めた当初からある程度、生徒は集まってうまくいっていました。
ただ手応えというと、違う出来事になりますね。その塾では比較的低学力の生徒が多かったんです。オール1の生徒もいました。その女の子が「すらら」で学習した後、「生まれて初めて勉強を楽しいと思った」と言ってくれたんです。この出来事のインパクトは大きく、教育産業の社会的価値を実感するようになりましたね。
実は、それまでは外食産業などのほうがダイナミックで面白いと感じていたのですが笑
そういった体験をしていく中で、「すらら」の事業を育てていきたいと考えるようになっていました。ただ一方で、当時は赤字事業だったので、会社の方針次第で縮小されてしまうことに危機感を持っていました。
ーーそれで、ベンチャー・リンクから事業を買い取って独立されたんですね。
はい。2010年にMBO(マネジメント・バイ・アウト)しました。当時は赤字の事業だったので、資金が必要ということはわかっていました。ベンチャーキャピタルを回って資金調達に動き、グロービスキャピタルパートナーズ様に出資をして頂きました。
ーー企業勤めからいきなりMBOで独立は大きな決断ですね。
もともとベンチャー・リンク時代にいくつも新規事業を立ち上げる経験をしていたので、大きな抵抗はなかったですね。
最初は、大きな赤字を出す事業ではあったものの、新規事業に対する慣れはあったので、迷いはありませんでした。
ーー事業は順調に成長していったのでしょうか
最初は厳しかったですが、2013年に黒字化できました。「すらら」をご利用いただくお客様が増え、売上が積み上がっていきました。このビジネスは、システムを維持するための固定費が大きく、最初はどうしても赤字になるのですが、ある程度利用者が増えてきて一度損益分岐点を超えると安定成長できるストック型のビジネスです。学習塾のビジネスモデルも同じですね。
ーー「すらら」は他の学習塾に比べて、ものすごく安価に開業が可能です
前社でフランチャイズ本部の支援を行っていた際に、加盟店からのクレームは業態を問わず同じだということに気が付きました。
ほとんどが、「加盟してみると、契約前に聞いていた話と違う」というクレームです。
その原因の一つは、加盟金を最初に取る仕組みにあります。
普通、フランチャイズ本部は加盟金として数百万円を徴収します。本部としては、経営に対する加盟金のインパクトは非常に大きいので、どうしても契約増に注力するようになる。
ほとんどの場合、加盟を募る専属の営業部隊を編成します。この営業担当は加盟契約数を目標に動いてしまうので、嘘は言わないにしても、どうしても良い面だけを言ってしまいがちです。加盟者は、契約後、SVに担当が変わってから、現実に直面することになります。そのようにクレームを生む構造があると気づいていました。
ーーすららが加盟金をとらないのは、そういう背景もあるのですね。
そうです。最初の加盟金をとらず、加盟校の生徒が増えて初めて本部も儲かるようにしました。契約担当とその後のフォロー担当は同じメンバーが一貫してお付き合いします。そうすると、最初の段階でオーバートークはしませんし、失敗しそうな方に強引に加盟させようとはしません。むしろ最初は厳しいことを言って、後で喜んでいただこうとするようになります。そうなれば「聞いていた話と違う」というクレームは起きません。
ただ、この仕組にも大きな欠点があります。事業規模が小さな段階では、大赤字が続くということです笑。
加盟金を最初にいただかないので、一定規模になって収益化するまで時間が必要です。なので、最初にベンチャーキャピタルから資金調達したのです。

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ーー「すらら」で開業するメリットをどのように考えていますか
教務の経験やスキルで勝負するわけではないということですね。
教務は全て「すらら」のシステムが担うので、生徒のサポートに注力出来る。それは本当に大きいと考えています。
仙台のアスイクという被災地の避難所で学習サポート事業を行うNPOに、「すらら」のシステムを提供しています。「すらら」を使えば、シニアや主婦など教務経験のない方でも立派に運営できます。結果として、仙台市の多くの学びの場で、多くの生徒に学習環境を提供できています。
一人一人が教えるスタイルでは、マンパワーに依存してしまいますが、「すらら」であればそれが必要ない。
教務経験がなくても、志がある方がいればアルバイト講師を雇用せず一人で50名の生徒の学習をサポートすることが出来ます。
ーー今後、「すらら」で開業をされる方には、どんなかたに加わってほしいと考えていますか?
EdTechと呼ばれるテクノロジーの進化によって、先生の役割は大きく変わり始めています。先生の役割がティーチャーではなく、コーチングとかファシリテーター、プロモーターになっています。
教務そのものは「すらら」のシステムがやってくれますので、生徒をどうやる気にさせるかといったことに重要度がシフトしています。
教務経験はなくとも、そういったヒューマンスキルと、ビジネススキルを持っている方にぜひチャレンジしていただきたいですね。
ーー慶應大学と共同で人工知能の研究なども行っています。「すらら」のサービスをどのように改善していきたいと考えていらっしゃいますか?
「すらら」では、NTTドコモの人工知能技術を活用し4月から「AIサポーター」という生徒と対話する機能を実装しています。また、ベストセラー「学力の経済学」で有名な慶應義塾大学の中室准教授と共同研究を行っています。「すらら」を導入頂いている全国の応募塾、学校に協力いただき研究を行っています
昨年は、「チーム対抗と個人戦では、どちらの学習効率が高いか」、今は「AIとの対話によって生徒の学習行動はどう変わるのか」などを研究しています。こういった研究結果をフィードバックし、よりよい学習環境の構築に役立てたいと考えています。
ーー「すらら」を導入されている塾では、積極的に研究に参加頂けているのでしょうか?
そうですね。多くの導入塾が前向きに取り組んで頂いています。
最先端の研究に自分も参加しているというモチベーションにもなりますし、塾のアピールやセールストークにもなるのだと思います笑
公立の学校でこういった研究をおこなうのは、公平性や平等性といった議論になってなかなかやりにくい側面があります。「すらら」を導入いただいている塾・学校はそういった研究に積極的な方が多く、結果的に最先端の研究に参画していらっしゃいます。

スリランカでのすららネットを用いた学習の様子
ーー「すらら」の今後の展開、注力していきたいことは何でしょうか
一つは海外の展開です。すでにスリランカとインドネシアで活動を行っています。スリランカはマイクロファイナンス組織と、インドネシアは国立大学と組んで現地の小学生達の算数力向上を推進しています。
国内では、先日発表したAI対話機能で生徒のモチベーションを向上させる、といった、最先端のテクノロジーでこれまでなかったような「学び」を実現させて行きたいですね。
また、小学校の低学年に向けて、発達障がいや学習障がいをお持ちの生徒さん向けのコンテンツも開発中です。実はそのような障がいを持つ生徒は全国に60万人以上いて増加傾向にあると言われています。そういう方が一人で学習してもしっかりわかり、学力が着実に身につくようなものをいま作っています。
ーー塾開業を考えているかたへ伝えたいこと
学習塾を開業するにあたって、塾は、昔、集合塾の形態からはじまって、その後、個別指導塾の形式が広まりました。その個別指導塾の市場も成熟期に入っています。
これからは、テクノロジーを使って個別指導塾より個別対応ができる新しいタイプの学習塾にシフトしていくだろうと思われます。なのでICTを使った塾の分野は有望、成長分野です。「すらら」では常に最先端のテクノロジーを用いた新たな「学び」を全国の導入塾さんに実現していただいています。
先ほど申し上げたように、このタイプの塾なら教務経験がなくても塾運営ができます。なぜなら先生の役割がティーチングからファシリテーションやコーチングに変わってきているからです。そういう意味で、ヒューマンスキルやビジネススキルをお持ちで、教育分野で貢献したいという方には、ぜひ「すらら」での開業を考えていただきたいですね。

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