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2021-05-31

会社員が社会教育士になるには講習受講が必須【本当になれるのか文科省に聞いてみた】

社会教育士は令和2年度(2020年度)に新設された制度です。指定の講習や大学の養成課程を修了すれば名乗ることができ、社会人でも1か月程度で取得可能です。

文部科学省が制作したWebサイト「社会教育士について」で詳しく解説されているものの、実際に会社員が社会教育士になれるのかわかりづらかったので、文部科学省へ問い合わせました。

教員免許を取得したものの、教育業界とは関係ない民間企業で働く筆者が、「会社員が社会教育士になるには?」をテーマにまとめます。

▶社会教育士はどんな資格?仕事内容・社会教育主事との違い

社会教育士になるには

社会教育士になるには、

  1. 社会教育主事講習を受講する
  2. 大学か短大で社会教育主事養成課程を履修する

の2つの方法があります。

会社に在籍しながら受講するとなると、現実的なのは1の社会教育主事講習。4科目8単位、演習を含めて120時間分あるので1か月程度かかります。

スケジュール次第ですが、朝から夕方まで丸一日、計15〜20日必要なので会社を休まなくてはならず、職場の理解が得られなければ厳しいかもしれません。

なお、1も2も「社会教育主事」の名がつくことから、社会教育士には社会教育主事相当の専門性が求められていることがわかります。

違いは、社会教育主事は職名なので公務員となり行政(この場合は教育委員会)から任命を受けてはじめて名乗れるのに対し、社会教育士は1か2を終えるだけで名乗れる称号である、という点です。

資格ではないため仕事には直結しませんが、NPOや民間企業で社会教育に関与する人にとっては専門性を示せるメリットがありそうです。

▶社会教育士はどんな資格?仕事内容・社会教育主事との違い

会社員が社会教育士を取得する方法

社会教育主事講習を受講するにあたっては次のような受講要件が定められており、いずれかを満たす必要があります。

  • 大学・短大等を卒業
  • 教員免許を所有
  • 社会教育関係の職に2年以上従事
  • 学校に4年以上勤務

どれか一つ満たせばよいので、教育関係の現職や公務員でなくとも受講でき、会社員でも取得しやすいでしょう。

ただ「社会教育主事講習」の名称から推察できるように、いずれ公務員として社会教育主事に任命されうる人の受講が想定されています。

高卒で公務員になり社会教育業務に従事しているといった、現場にいるけど任用資格がなく社会教育主事になれない人も受講できる要件が定められているのです。

社会教育士の講習要件は都道府県による

社会教育主事講習は、居住地の都道府県教育委員会が実務を担当しており、受講には同機関の推薦が必要です。

受講手続きは自治体によって異なるため、受講資格有無の確認も含めて、文部科学省が公開している「担当課一覧」へ問い合わせてください。

講習実施機関・大学は10程度(令和2年度で8機関)と多くありません。

特に新型コロナウイルスの影響で定員数が少なかったり、講習を中止する大学が相次いだりと、受講自体が狭き門。

さらに、すでに公務員で、社会教育主事へ任用される可能性の高い人が優先されると考えられるので、講習の定員が増えるまで会社員の受講は難しいかもしれません。

急いで社会教育士になりたい人は、科目等履修の制度を利用して大学の養成課程を受け、必要単位を取得する手もあります(受講料がかかります)。

ちなみに、大学で取得した単位を充当し、一部科目が免除される可能性もあるとのこと。卒業した大学へ問い合わせて「成績証明書」などを用意するとスムーズだと考えられます。

令和3年度社会教育主事講習のスケジュール

令和3年度(2021年度)社会教育主事講習の詳細は、各実施機関より順次公表されており、「令和3年度社会教育主事講習 大学名など」で検索するとヒットします。

実施機関は、社会教育士になる方法を解説した記事で紹介している、昨年度の実施実績が参考になります。

例えば、社会教育政策研究所(東京都)の講習実施概要(5月7日掲載)は次のとおり。

  • 期間:令和3年7月26日(月)~8月23日(月)の 20日間
  • 方法:オンライン講義と集合講習
  • 受講料:無料(通信費などの経費は受講者負担)
  • 提出書類:受講申込書、卒業証明書または勤務証明書、単位修得認定申請書、単位修得証明書、受講動機について(受講者の立場により異なります)など

※5月31日で募集は終了しています

参照:教育政策研究所「令和3年度社会教育主事講習[A]」2021年5月26日参照

詳細公開から募集終了まで短いうえ、応募の前に教育委員会への事前確認が必要。かつ大学から取り寄せる書類もあるので、受講意志があるなら早めの準備が得策です。

会社員が社会教育士になる意義とは

社会教育士は、任用資格を取得できる「社会教育主事講習」を受講すれば会社員でも名乗れる称号です。

資格ではないので採用要件に掲げる企業は多くありませんが、地域社会へ貢献するコーディネート力があることをアピールする材料になり、SDGsの重要性が増す現代社会において注目される専門性の一つだと、取材を通じて実感しました。

コロナ禍で始まったため受講ハードルの高さは拭えません。

しかしアフターコロナでは解消され、多くの社会教育士が誕生し、公務員ではなく民間企業の立場から活躍される方も増えるのではないかと期待しています。

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