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2020-01-28

いまさら聞けない学校法人とは?私立学校を設立・運営する法人

学校法人という言葉を聴いたことはありますか?

特に私立の学校に通っていた方は、耳なじみがあるかもしれません。

学校法人には何となく学校を運営している団体のようなイメージがありますが、意味や仕組みなどはよく知らない方がほとんどだと思います。

この記事では、学校法人の定義や特徴、組織体制等について解説します。

学校法人とは私立学校を運営する公益法人の1つ

学校法人とは

文部科学省「学校法人制度の概要」によると、学校法人とは私立学校を設置運営する公益法人のことです。

私立学校には、幼稚園から大学院までが含まれます。

公益法人とは

公益法人とは「公益の増進を図ることを目的として法人の設立理念に則って活動する民間の法人」です。

一般的には、民法に基づいて設立される社団法人・財団法人を指します。

また、公益を目的とする法人の1つとして、民法以外の特別法に基づいて設立される法人も公益法人と称されることがあります。

この意味での公益法人に、学校法人があります。

学校法人のほか社会福祉法人や宗教法人などの団体もあります。

準学校法人とは

準学校法人とは、私立の専修学校または各種学校の設置のみを目的としています。

私立学校法」第64条4項にあたる法人です。

原則、学校法人に関する仕組みがそのまま準用されています。

準学校法人は学校法人を名乗ることができます。

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学校法人の仕組み・組織体制

学校法人は、

  1. 理事会
  2. 監事
  3. 評議員会

の3つから構成されます。

理事会は、学校法人の業務に関する最終的な意思決定機関です。

学校法人の業務決定と、理事の職務執行を監督しています。

5人以上の理事から組織され、評議員会に諮問を行う機関で、理事長は監事を選任する立場にあります。

監事は、学校法人の業務や財務状況などの監査を行う機関です。

学校法人には2人以上の監事を置かなければいけないとされています。

評議員会は、予算や事業計画、寄附行為の変更等について、理事会に対し意見をする機関です。

委員数は、理事の定数の2倍を超える数とされています。

学校法人が作られた歴史・背景

私立学校法が規定される以前は民法で定められた財団法人が私立学校の設置主体または私立大学自体が財団法人となり、私立学校を運営していました。

学校法人は第二次世界大戦後の1949年に作られた私立学校法によって規定されています。

学校法人は、日本私立大学協会によると、大きく以下の3つの理由から作られたとされています。

  1. 全体主義的で偏狭な価値体系が戦争に突入させたことへの反省として、価値の多様性を重視したこと
  2. 戦後の成長を担う人材の育成が必要だったが、投資すべき国家予算が国にはなかった財政上の理由
  3. 国立大学によるトップリーダーのほか、全国に多様な分野での中間層の底上げという人材確保

このように学校法人は、価値の多様性の重視・人材育成・中間層の底上げの3点を主な目的として、設置されることとなったと考えられます。

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学校法人の特徴

学校法人が設立する私立学校では、学校という組織の性質から公共性を持ち、同時に私人が設立・運営することから自主性が重んじられています。

両性質による学校法人・私立学校の特徴について、ここでは説明します。

教育の多様性を重視

私立学校法は私立学校の自主性を尊重し、所轄庁の権限を国公立の学校よりも限定しています。

私立学校関係者の意見を反映するため、所轄庁が権限を行使する際は、大学設置・学校法人審議会又は私立学校審議会の意見を聴かなければならないとされています。

このような自主性の担保により、教育手段や学習内容に自由を生み、教育の多様性を実現しています。

税金面で優遇される

学校法人は、組織の公共性・公益性から、税制上の優遇措置がとられています。

具体的には、法人税・事業税では収益事業から生じた所得のみに課税がかかります。

また、収益事業から生じた所得にも減税がなされます。

普通、法人であれば税率29%のところ、学校法人は税率19%です。

そのほか、非課税となる税には以下のものがあります。

  • その他の国税
    • 所得税
    • 登録免許税
  • 地方税
    • 住民税
    • 事業税
    • 事業所税(収益事業に係るものを除く)
    • 不動産取得税
    • 固定資産税
    • 特別土地保有税
    • 都市計画税(目的外不動産を除く)

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学校法人が規定される「私立学校法」

私立学校法は「私立学校の特性にかんがみ、その自主性を重んじ、公共性を高めることによって、私立学校の健全な発達を図ることを目的としている」法律です。

私立学校法は、学校法人の設立、管理運営等に関して規定されました。

1949年に制定され、少子化などの社会情勢の変化を踏まえ、2004年と2014年の2回改正されています。

2004年の改正では管理運営制度の改善や財務情報等の公開の規定が実施され、2014年の改正では学校法人が法令規定に違反した際の所轄庁の対応方法等について規定されました。

学校法人と〇〇の違い

ここでは「学校法人」と意味の違いがわかりづらい言葉との違いを説明しています。

学校法人と学校の違い

一言で説明すると「学校を設立する組織が学校法人」です。

「学校法人○○大学」と「○○大学」は似ているようで意味は大きく異なります。

「○○大学を設立している学校法人○○大学」というのが正しい理解です。

また、理事長は学校法人の長のことで、校長や学長は学校機関の長のことです。

学校法人と株式会社の違い

学校法人と株式会社の大きな違いは活動目的です。

学校法人の活動目的はよりよい教育の提供です。一方で、株式会社の活動目的は利益の追求です。

学校法人の活動は公共性・公益性の高い活動であり、そのため国からの税の優遇や補助などを受けています。

学校法人とその他の法人の違い

前提として、法人とは法律により認められた社会的活動を営む組織のことを指します。

法人には、学校法人を含め、会社や労働組合、社会福祉法人など様々あります。

繰り返しとなりますが、それらのうち学校法人は、私立学校を設置運営している法人です。

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まとめ

  • 学校法人とは私立学校を設置運営する公益法人
  • 学校法人は理事会・監事・評議員会の3つで構成される
  • 学校法人は教育の多様性を重視し税制上の優遇措置が講じられている

学校法人を規定する私立学校法はこれまで、2020年4月より改正が予定されています。

役員の職務と責任の明確化や、情報公開の充実といった側面で改正が検討されています。

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