2026-02-02
学童保育(学童指導員・放課後児童支援員)の年収、仕事内容、資格、向いている人の特徴を転職エージェントが解説
学童保育(放課後児童クラブ)は、共働き世帯などの小学生を対象に、放課後や長期休暇期間における安心できる生活の場を提供し、子どもたちの健やかな成長を支える重要な役割を担っています。
本記事では、学童保育の現場で働くことを検討している方に向けて、学童指導員・放課後児童支援員の仕事内容、資格、年収、向いている人の特徴を整理して解説します。
この記事の監修者
Education Career 編集部
教育業界専門の転職エージェント「Education Career」の編集部です。年間で数百名の教育業界出身者の転職やキャリアの支援を行う転職エージェントとして、教育業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。
目次
学童保育とは
学童保育は、正式名称を「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」といい、主に日中保護者が家庭にいない小学生の子どもたちに対して、放課後や夏休みなどの長期休暇中に適切な遊びや生活の場を提供することを目的としています。
対象となるのは主に小学校1年生から6年生までの児童です。
設置主体は自治体が直接運営する公立のほか、社会福祉法人やNPO法人、株式会社などの民間企業が自治体から委託を受けて運営するケース、さらには完全民営の民間学童など、その形態は多岐にわたります。
保育園が乳幼児の生活全般を支える場であり、小学校が学習を主目的とする場であるのに対し、学童保育は「放課後の生活の場」としての側面が強いのが特徴です。
学校での緊張を解きほぐし、家庭に近いリラックスした環境で子どもたちが自立的に過ごせるようサポートすることが求められます。
学童指導員・放課後児童支援員とは
学童指導員は、一般的に学童保育で働く職員を指す言葉として使われています。
放課後児童支援員は、2015年に設立された資格です。
学童保育の利用ニーズが拡大する中で、支援の質を確保することが課題となり、日本政府は2015年に「放課後児童支援員」という資格制度を創設しました。
それ以前は、学童保育で働くために特定の資格は求められていませんでしたが、専門性を担保する目的で新たに資格制度が整備されています。
放課後児童支援員は、一定の要件を満たしたうえで所定の研修を修了した人が取得できる資格です。
放課後児童支援員の資格を有していない職員については、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」において補助員と定義されています。
放課後児童支援員の資格がなくとも学童保育で働く事は可能ですが、施設には放課後児童支援員の配置条件が規定(基準第10条第1項)されています。
放課後児童支援員と児童指導員の違い
放課後児童支援員と名称が似た職種(資格)に児童指導員がありますが、位置づけや活躍する場が異なります。
放課後児童支援員は、学童保育(放課後児童クラブ)において、放課後や長期休暇中の小学生を対象に、生活や遊びを通じた健全な育成支援を行います。
一方、児童指導員は、児童福祉法に基づく児童福祉施設などで、さまざまな事情により支援を必要とする児童に対し、自立に向けた生活指導や学習支援、集団生活への適応支援を行います。
児童指導員の勤務先には、児童養護施設、乳児院、放課後等デイサービス、児童発達支援センターなどがあります。
放課後児童支援員の資格を取得するには
放課後児童支援員の資格を取得するには、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」の第10条第3項の各号のいずれかに該当した者が、各都道府県が実施する認定資格研修を受講し、修了する必要があります。
以下が基準第10条第3項の概要ですが、保育士や教員免許、社会福祉士などの国家資格を保持している者、大学で指定科目を修めて卒業している者、高校を卒業し2年以上の実務経験を積んでいる者、などが該当します。
- 保育士の資格を有する者
- 社会福祉士の資格を有する者
- 高校を卒業・もしくは文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であって、児童福祉事業に二年以上従事した者
- 教育職員免許法に規定する免許状を有する者
- 大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
- 大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程において優秀な成績で単位を修得したことにより、大学院への入学が認められた者
- 大学院において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
- 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
- 高等学校卒業者等であり、かつ、二年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めた者
- 五年以上放課後児童健全育成事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めた者
学童保育(学童指導員・放課後児童支援員)の仕事内容
学童保育での仕事は、子どもたちの健やかな成長を多角的に支える役割を担います。
施設によって細かな方針は異なりますが、ここでは一般的な現場で行われている業務内容を解説します。
見守り・安全管理
放課後の子どもたちが安全に過ごせる居場所を提供することは、この仕事の重要な役割のひとつです。
学校から帰る児童を温かく迎え、室内外での遊びにおける怪我や事故を防ぐために細心の注意を払います。
子どもの体調の変化や心理面での小さな異変にいち早く気づき、適切に対応する判断力が、現場の安心を支える基盤となります。
生活習慣の取得に向けた援助・学習サポート
日常的な生活習慣の取得に向けた援助や、学習のサポートも欠かせません。
例えば、帰宅後の手洗いや荷物の整理などを促したり、学習面では、子どもが自主的に宿題に取り組める環境を整えたりします。
答えを直接教えるのではなく、集中できる場を作り、やり遂げる達成感を共有することで、学びへの前向きな姿勢を大切に育んでいきます。
主体的な遊びや生活を支える適切な援助
子どもたちが自ら考え、主体的に遊びや生活を組み立てられるよう適切な援助を行います。
大人が一方的に活動を指示するのではなく、子どもの「やってみたい」という意欲を尊重し、必要な環境を整えることが役割です。
集団生活の中で自己決定を繰り返し、自信を持って過ごせるよう、影ながら見守り支える姿勢が大切にされています。
信頼関係を築く保護者対応・関係機関との連携
保護者や学校との連携は、預かりの安心感を提供するために非常に重要です。
お迎えの際にはその日のエピソードを具体的に伝え、子どもの成長を共に喜びます。
また、家庭での悩みや学校での様子を共有し、地域全体で子どもを見守るネットワークの要としての役割を担います。
丁寧な対話を通じて信頼関係を築くことが求められます。
円滑な施設運営のための事務業務・チーム共有
施設を円滑に運営するための事務業務やチーム連携も大切な仕事です。
活動日誌の作成や連絡帳の記入、行事の計画立案などを行います。
スタッフ間でのミーティングを通じて、子ども一人ひとりの状況を細かく共有し、支援方針を統一します。
こうした事務作業や情報共有の積み重ねが、安全で質の高い保育を継続するための土台となります。
学童保育(学童指導員・放課後児童支援員)の一日の仕事の流れの例
学童指導員・放課後児童支援員の、一日の仕事の流れの例を紹介します。
一般的に学童保育は、学校がある平日と夏休みなどの長期休暇期間で勤務シフトが異なります。
仕事の流れやスケジュールは施設によって異なりますが、ここでは、フルタイムの場合の平日のスケジュール例を紹介します。
| 時間帯 | 業務内容 | 詳細 |
|---|---|---|
| 10:00 | 出勤・環境整備 | 施設内の清掃や安全点検を行い、子どもたちを安心して迎えられる状態に整えます。 |
| 11:00 | 事務作業・企画立案 | 育成記録の記入、おたよりの作成、翌月のイベントや遊びの計画立案などを行います。 |
| 12:00 | 休憩 | – |
| 13:00 | スタッフ会議 | 職員間でその日の役割分担や、配慮が必要な児童の情報、学校からの連絡事項を共有します。 |
| 14:00 | 児童の受け入れ | 下校した子どもたちが順次到着します。一人ひとりの表情を見ながら健康状態を確認します。 |
| 15:30 | 自主学習・遊びの援助 | 宿題を見守り、その後は子どもたちが主体的に選んだ遊び(外遊びや室内遊び)をサポートします。 |
| 17:00 | 帰りの会 | 一日の振り返りを行い、子どもたちと一緒に使った場所の片付けや整理整頓をします。 |
| 18:00 | 保護者対応・順次降所 | お迎えに来た保護者へ、その日のエピソードや成長の様子を伝え、丁寧に引き継ぎます。 |
| 19:00 | 閉所作業・退勤 | 延長保育の対応を終え、戸締まりや最終確認を行って業務終了となります。 |
学童保育(学童指導員・放課後児童支援員)の年収・給料
ここからは、学童指導員・放課後児童支援員の年収・給与について解説します。
学童指導員・放課後児童支援員の平均年収
厚生労働省の令和4年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業における調査によると、放課後児童支援員の平均年収は、289万9,910円です。(月給払いの常勤雇用者)
| 年間支給額(賞与込) | ||
|---|---|---|
| 職種 | 常勤 | 非常勤 |
| 放課後児童支援員 | 289万9,910円 | 156万3,333円 |
| 補助員 | 217万8,566円 | 128万4,647円 |
なお、上記は公立と民間の施設を合わせたデータです。
経営主体が民間(民立民営)の施設に絞ると、放課後児童支援員の平均年収は、303万1,499円です。
学童指導員・放課後児童支援員の給与改善率
同調査では、令和1年度から令和3年度まで継続して勤務している職員を対象にした、放課後児童支援員の給与改善率のデータも掲載されています。
令和1年度と令和3年度を比較すると、放課後児童支援員の年間給与は約22万円増加(8.8%アップ)しています。(月給払いの雇用者)
| 年間給与(非常勤含む) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 職種 | 令和1年度 | 令和3年度 | 差 | 改善率 |
| 放課後児童支援員 | 251万5,680円 | 273万6,159円 | 22万479円 | +8.8% |
| 補助員 | 136万6,994円 | 163万322円 | 26万3,327円 | +19.3% |
学童保育(学童指導員・放課後児童支援員)に向いている人
学童保育の現場で求められる資質は、単に子どもと一緒に過ごすのが好きという気持ちだけではありません。
放課後という自由度の高い時間だからこそ、子どもの成長を促すための深い洞察力や、周囲と協力し合う力が重要となります。
子どもの心の機微に触れ、変化に気づける観察眼
学童保育の職員には、子どもの小さな変化に気づき、その背景にある感情を想像できる力が求められます。
子どもたちは学校での出来事や家庭での環境によって、日々異なる表情を見せます。言葉にできない不安やストレスが、何気ない行動やしぐさに表れることも少なくありません。
こうしたサインを敏感に察知し、一人ひとりの歩幅に合わせた見守りができる方は、子どもたちにとって安心できる存在となります。
関係者と丁寧な対話を通じ、信頼を積み上げられる力
学童保育は、子どもだけでなく、保護者、同僚スタッフ、学校関係者といった多様な人々が関わる場所です。
安全で質の高い環境を維持するためには、日々の出来事を正確に共有し、関係者と丁寧なやり取りを重ねていく姿勢が欠かせません。
保護者の方へ成長を具体的に伝えたり、スタッフ間で方針をすり合わせたりといった誠実な対話が、職場全体の信頼基盤となります。
臨機応変な対応力と、成長を待てるゆとり
子どもの成長は決して直線的ではなく、時には失敗を繰り返しながら進んでいくものです。
予期せぬトラブルが起きた際にも、その場の状況に合わせて臨機応変に対応できる力は、周囲に大きな安心感を与えます。
目先の成果を急がずに一歩引いた視点から子どもを支え、自ら気づきを得るまでじっくりと待てる心のゆとりがある方は、この仕事の醍醐味をより深く感じられるでしょう。
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