2019-09-05 2026-03-18
教員の離職率は本当に高い? データ・他業種比較から見る実態と対策
データで見ると、公立学校の教員全体の離職率は約1.2%と低い水準にとどまっています。一方で、全離職者に占める30代までの若手教員の割合が高く、教員の定着が現場の大きな課題になっているのも事実です。
本記事では、教員離職率の実態をデータや他業種との比較から読み解き、改善策やキャリアチェンジの可能性まで包括的にご紹介します。
本記事は以下のデータを参考にしています。
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この記事の監修者
Education Career 編集部
教育業界専門の転職エージェント「Education Career」の編集部です。年間で数百名の教育業界出身者の転職やキャリアの支援を行う転職エージェントとして、教育業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。
目次
教員離職率の現状
まずは、日本における公立学校教員全体の離職率が実際にどのような水準なのかを確認し、「教員はブラックだから離職率も高い」という世間の印象とどれだけ差があるのかを見ていきましょう。
公立学校全体の離職率は約1.2%
文部科学省などの調査によれば、令和4年の公立学校の教員数1,109,060人のうち、定年退職を除いた普通退職者数が13,515人とされていることから、この年度の退職率は約1.2%だとわかります。令和4年度の日本の労働者全体の離職率は約15%とされていることと比べると、公立校の場合、教員の離職率はむしろ一般に比べてかなり低いといえます。
実際、弊社で転職を支援した教員の方でも、公立校より私立校にお勤めの方が多い傾向にあります。以下の記事では教員からの転職を成功させた皆さんへのインタビューをまとめています。
私立校・公立校どちらのケースもご紹介しておりますので、ぜひご参考になさってください。
年齢層別の傾向
公立学校教員の離職率は、年齢が上がるにつれ低下する傾向があります。以下の表は令和4年度の普通退職者のうち、「在職期間の通算を伴う退職等(※)」を除いた退職者数と全体に対する割合を年代別にまとめた表です。
※ 「在職期間の通算を伴う退職等」…普通退職のうち、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて他の地方公共団体、国等の職員となるため退職手当を支給されずに退職した場合や、二以上の地方公共団体の職員としての身分を併有していた者が、一方の地方公共団体を離職した場合をいう。
| 離職者の年代 | 離職者数 | 対全体比 |
| 20代まで | 3963 | 39.91% |
| 30代 | 3235 | 32.58% |
| 40代 | 1537 | 15.48% |
| 50代 | 1120 | 11.28% |
| 60代以上 | 74 | 0.75% |
| 年代合計 | 9929 | 100% |
この表を見ると、年齢が高くなるほど退職者数が減っていくことがわかります。特に30代までの若い世代が全退職者の7割程度を占めていることから、若手~中堅教員の不足が現場の大きな課題となっていることが予想されます。
ベテラン層は指導スキルが身につき長く働き続ける人が多い一方、若手層は現場での業務量や職場文化とのギャップを感じ、退職を選ぶケースが増えていると指摘されています。
私立学校・非常勤教員の離職率のデータはないが、公立教員よりも高いと推定される
私立学校の教員や、非常勤の教員の離職率のデータはありません。私立学校の離職率はそれぞれの学校が公開していないことがほとんどです。
また、非常勤の教員の場合、そもそも年間契約で雇用されていることも多く、離職ではなく契約終了となるため、離職率という考え方がマッチしません。
正確なデータではありませんが、弊社に転職やキャリアの相談にいらっしゃる教員の方には、私立学校や非常勤勤務での教員の方も多く、公立学校の教員に比べると離職率はかなり高いのではないかと思います。
※それでも一般企業と同水準程度なのではないかと思います。
報道の「ブラック労働」イメージと実態のギャップ
「教員はブラック」というフレーズを耳にする機会が増えていますが、実際の統計を見る限り離職率はそれほど高くありません。このギャップはどこから生まれるのでしょうか。
メディア報道における偏りの背景
部活動指導や長時間労働などで苦しむ教員の声がクローズアップされやすい一方で、全体の離職率が低いことはあまり注目されません。一部の深刻な事例が大々的に報じられることで、「教員=ブラック」というイメージが拡散されがちです。
離職率が低いにもかかわらず“ブラック”と言われる理由
若手教員や特定の学校では「辞めたいが辞められない」状態や、過度な負担に苦しむケースが実際に存在するため、統計上の数字だけでは見えにくい問題が「ブラック労働」のイメージを強めていると言えます。
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離職率から考える教育現場への影響と課題
公立校の教員の離職率が他業種と比べて低いとはいえ、新任教員や若手の早期退職が一定数発生すると学校運営や教育の質に影響を及ぼします。
若手教員が抜けることで、学校現場にとっては指導ノウハウが蓄積されにくくなるというデメリットが生じます。結果として、ベテランの教員に業務負担が集中し、過度な疲弊を招きかねません。また、少子化が進む中でもICT教育や英語教育など新しい取り組みは増えており、若手の柔軟な発想やスキルが求められる場面が多いだけに、早期退職は大きな痛手です。
一方、離職率が低いということは「本当は辞めたいが辞められない」教員が残っている可能性もあるため、職場全体のモチベーション低下やメンタルヘルス面の懸念も無視できません。こうした状況から、若手教員の育成・サポートをいかに充実させるかが、教育現場における重要な課題となっています。
離職率を改善するための取り組み事例
若手教員の早期離職や負担の偏りといった問題を放置すれば、学校運営だけでなく地域社会にも深刻な影響が及ぶ可能性があります。これを防ぐべく、国や自治体、学校現場ではさまざまな試みが進められています。
東京都では、臨床心理士や先輩教員によるメンタリング体制を整え、新任教員の精神的なサポートを強化しています。定期面談によって悩みを早期に把握し、必要に応じて専門医療やアドバイスにつなげる仕組みを構築しているのです。
また、スクールサポートスタッフや事務職員を拡充して、教員が本来の教育活動に専念しやすい環境づくりを目指す自治体も増えています。さらに、ICTツールの導入で事務処理を効率化し、教員の残業時間を減らすことに成功している先進事例もあり、こうした取り組みは離職率の低減だけでなく教育の質の向上にも寄与すると期待されています。
教員から他業種へのキャリアチェンジは可能?
教員の離職が取り沙汰される中、「自分も転職して新しい道を進むべきか」と悩む方は少なくありません。実際、教員特有のスキルや経験は他業種でも高く評価されることがあり、キャリアチェンジの成功事例は決して珍しくないのです。
プレゼンテーション力やコミュニケーション能力、問題解決力など、教師特有の強みは多様な企業で求められます。教育関連企業(学習塾、EdTech、教材開発など)であれば指導経験が直接的に活かせますし、ITやコンサルなど全く異なる業界でも折衝力やマネジメント力が評価される可能性があります。
いずれの業界を目指す場合でも、自分が「教育に携わりたいのか」「全く新しい分野に挑戦したいのか」という方向性を明確にし、強みを効果的にアピールすることが重要です。
ただそれは、簡単ではありません。教員の方の民間企業への転職は、企業から転職する場合に比べ以下のようなポイントで苦労することが多いです。
- ビジネス経験が不足していること
- 転職の時期・タイミングが偏ること
- 年収面での折り合いが付きづらいこと
- 仕事に対するスタンス
こちらも詳しくは他の記事で解説しています。
参考ページ
教師の転職が難しい理由は?転職するためのコツ
教員からの転職先のパターン
先述したように教員の方が離職しても、簡単ではないにせよ、仕事は見つかります。ではどういった仕事に就かれる方が多いのでしようか。年齢やタイミングによっても異なりますが、以下のような仕事が多いようです。
- 教育系企業での講師や教室長
- 各種スクールの運営・事務スタッフ
- 異業界での営業職
教育関連産業に関心がある方も多いですし、募集企業からも求められることが多いため教育関連産業に転身される方が最も多いです。
離職率は気にしなくていい
離職率を気にして、現職を辞めるべきかどうかを考えるのは本質的ではありません。
新卒時の就職活動と違って、退職する場合の理由やタイミングはそれぞれ個別に行われます。
- 他にどうしてもやりたいことが出来てしまった
- 職場環境に耐えきれず抜け出したい
- 家族や恋人などを優先出来る働き方にしたい
このように、辞める理由やタイミングは人それぞれです。個人の事情に大きく左右されるので、全体平均の離職率を気にする必要はありません。
離職したとしても仕事はある
比較的早期の離職や、転職した経験のない方が多い環境だと、「転職したら食っていけない」「転職なんてできない」という意見を聞くかもしれません。
しかし、ほとんどの場合、それは間違いで、離職後も仕事は見つかります。全てが希望通りということは少ないかもしれませんが、特に若手の方であれば、人手不足の企業も多く、積極的に中途採用を行っています。
離職して得られるものと手放すものを比較する
気にするべきは、離職率ではなく、離職して何を得たいのかです。
- 離職して失うもの<離職後に得られるもの
- 離職して失うもの>離職後に得られるもの
上記のように、離職して手放すものと離職後に得られるものを比べて、上に当てはまるのであれば離職すればよいでしょうし、下に当てはまるのあれば、多少の不満はあっても現職にとどまるのがよいでしょう。
仮に倍率の高い地方自治体の公立学校の教員になった場合、すぐに離職してしまうのはもったいないかもしれません。
明確にやりたいことや求めることがある場合を除いて、積極的に離職を検討すべきではないとも言えるでしょう。一方で、元々志望動機が強くなく教員をやっている方にとっては、離職を検討する理由が多いかもしれません。
離職率という平均で決めるのではなく、自分自身が手に入れたいものと、手放すものの比較で決めるべきです。
教員が離職する主な理由・背景
実際に教員が離職を決断する際にどのような理由や背景があるのでしょうか。新任教員だけでなく、中堅・ベテランを含む幅広い層が退職を選ぶきっかけを見てみましょう。
多くの方に当てはまるのが以下3つの理由です。
- 勤務時間や休日などの働く条件
- 給与・年収などの収入面
- 人間関係のストレス
長時間労働や業務量の多さは、教員が離職を考える最も代表的な要因です。部活動やクラス運営、行事準備などが重なると休日出勤が常態化し、プライベートの時間が確保しにくくなります。さらに、保護者対応でのトラブルや同僚との連携不足など、人間関係によるストレスも離職に直結するケースが多いと指摘されています。
給与面やキャリアアップの不透明さを理由とする人もおり、特に非正規の教員は将来的な安定が見込めないことから早期に退職を考えることがあるようです。加えて、理想と現実のギャップに苦しみ、「教師としてのやりがいを見いだせなくなった」と感じて辞めるケースも少なくありません。
まとめ
公立校では30代までの若手の離職者が離職者全体の7割以上を占めるなど、若手教員の定着が教育現場の大きな課題となっています。働き方改革やメンタルケアの充実などの取り組みが進められている一方、現場で十分に機能していないケースも少なくありません。今後は、教育の質を保ちつつ若手を育成するための環境整備が一層求められるでしょう。
学校現場で働きながら改善を求める道もあれば、新たな環境へキャリアチェンジを図る道もあります。自分の価値観や将来設計を棚卸ししたうえで、複数の選択肢を検討することが大切です。教員としての経験を広く評価されるためにも、情報収集や専門家への相談は欠かせません。
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