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2024-05-30 2025-09-09

特別免許状とは|制度概要・取得方法・授与件数の推移

本記事では、特別免許状について詳しく解説していきます。

制度概要や令和3年度の指針改訂のポイント、現在の活用状況、特別免許状の活用事例、授与までの流れ等について解説しています。

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この記事の監修者

網屋亮介

教員のキャリア支援に特に強みを持つキャリアアドバイザー。年間で数百名の教員とのキャリア面談を実施。学校法人や教育系の事業会社へ多数の転職支援の実績を持つ。教員特有のレジュメ作成、選考対策など教員の転職支援に強み。前職は旅行代理店、教員家系に育ち、2児の父。

特別免許状とは

特別免許状とは、教員免許を取得していない場合でも通常の教諭と同様の教科指導や学級担任等の業務ができる免許状です。

民間企業での経験や、スポーツ、文化での活動実績、博士課程での研究など優れた専門性をもつ人に対して、各都道府県の教育委員会が審査を行い授与します。

特別免許状は、学校外で優れた知識・経験を得た社会人を教師として迎え入れることで、学校教育の多様化(例:新学習指導要領、小学校英語教育、個別最適な学び・協働的な学び)への対応や、その活性化を図るのが目的です。

特別免許状は、授与された都道府県でのみ有効となっています。また、免許状は小学校、中学校、高等学校といった学校種ごと、さらに外国語(英語)、社会、美術などの教科ごとに授与されます。例えば、中学校英語科、高等学校美術科というような種別があります。

特別免許状でできる事

特別免許状は、各都道府県の教育委員会が授与する「教諭」の免許状です。授与された学校種(小・中・高等学校)の教科の教育課程をすべて担うことができます。

待遇や勤務形態については、学校によって異なる場合もありますが、普通免許状を持つ教師と同様であることが多く、学級担任も受け持つことができます。

免許状の種類(特別免許状と特別非常勤講師制度の違い等)

ここで、特別免許状をはじめとした各種教員免許の違いと、特別非常勤講師制度について見ていきましょう。それぞれの特徴は一覧の通りです。

参考:文部科学省「教員免許制度の概要」

普通免許状

  • 大学院修士課程で取得できる専修、4年制大学(学士)で取得できる一種、専門学校や短大で取得できる二種がある。
  • いわゆる教員免許は普通免許状を指し、授与教科の全教育課程の指導や学級担任など学校教員の主な業務を行える。
  • 学校種・教科ごとに授与され、全国の学校で指導可能。

臨時免許状

  • 普通免許状を所持する教員を採用できなかった場合に限って、教育職員検定に合格した人を採用する際に授与される。
  • 任期は3年。
  • 勤務できる学校は、授与された都道府県内のみ。

特別免許状

  • 教員免許を所持していない場合でも授与教科の全教育課程を指導できる。
  • 学級担任や小学校道徳・特別活動などの指導も可能。
  • 勤務形態は常勤・非常勤を選択できる。
  • 勤務できる学校は授与された都道府県内のみ。

特別非常勤講師制度

  • 教員免許を所持していない場合でも授与教科の一部を指導できる。
  • 指導できるのは指定された一部領域に限られる。
  • 勤務形態は非常勤のみ。
  • 勤務できる学校は授与された都道府県内のみ。

各種免許状と比較すると、特別免許状の特徴は「授与教科の全教育課程を指導可能」「勤務できるのは授与された都道府県のみ」「常勤・非常勤の両方を選択できる」といった点が挙げられます。

「特別免許状の授与に係る教育職員検定等に関する指針」の改訂について

現在文部科学省では、教員不足問題を解消する一つの手段として学校での外部人材活用を推進しています。令和3年度には「特別免許状の授与に係る教育職員検定等に関する指針」が改訂されました。

令和3年度の指針改訂のポイント

  • 学校や在外教育施設で教科指導に携わった経験の要件「600時間以上」を廃止し、1学期間以上勤務していれば可能とする。
  • 学校や教育施設、企業等の勤務経験だけでなく、NPO等での多様な勤務経験を加味。
  • オリンピック等国際大会の出場、国際コンクール・展覧会出場、博士号取得といった特別な経験のある人も授与対象とする。
  • 場合によっては面接による授与候補者の資質確認も別の手段で代替可能。
  • 市町村教育委員会や学校法人の要望を考慮してスピーディーに手続きを進める。
  • 「特別免許状所有者数は学校の全教員数の5割まで」という配置割合の基準を廃止。

参考:文部科学省「教員資格制度に係る規制・制度の見直しについて」

特別免許状の授与件数は増加傾向にある

政府が推進している特別免許状の活用状況はどのようになっているのでしょうか?

こちらは、平成元年度から令和4年度までの特別免許状の授与件数の一覧です。

学校種別 平成
1~10
平成
11~20
平成
27
平成
29
平成
30
令和
1
令和
2
令和
3
令和
4
小学校 0 2 0 12 13 16 22 31 66
中学校 1 30 52 42 58 61 60 83 104
高等学校 41 204 153 105 125 138 142 204 313
特別支援学校 0 68 10 10 12 12 11 16 17
全体 42 304 215 169 208 227 235 334 500

参照:文部科学省「特別免許状の授与件数」

平成20年度ごろまでは年間30〜40件ほどしか授与されていなかったものが、「特別免許状の授与に係る教育職員検定等に関する指針」が提示された翌年の平成27年度に年間200件に到達し、指針が改訂された令和3年度に300件超、令和4年度に500件と増加していることがわかります。

ただし、増加傾向ではあるものの、全国の国公私立小中学校・高等学校・特別支援学校の授与件数を合わせて500件です。特別免許状とほぼ同様の業務ができる臨時免許状の令和4年度の授与件数が10,629件(参照元)なのを踏まえると、まだ多くはないと言えます。

実際に令和4年には、以下の内容を文部科学省から各都道府県の教育委員会に直接周知し、積極的な任用を促しています。

  • 教員の複数校勤務が可能であること
  • 民間企業から現職のICT人材を任用する際に兼業許可が可能であること
  • パートタイムの会計年度任用職員には兼業の制限がないこと

参考:特別免許状等多様な外部人材の教員等への登用拡大について|文部科学省

特別免許状で指導する教科の例

ここでは、特別免許状を授与された教員が具体的にどのような教科・内容を指導しているのかについて見ていきましょう。

より詳しい事例を知りたい場合は、文部科学省が発表している特別免許状等の活用に関する事例集をご参照ください。

英語

特別免許状の授与件数がどの学校種でも多いのが、外国語(英語)です。

主にALT(Assistant Language Teacher:外国語指導助手)や外国人講師、英会話教室の講師が特別免許状を授与されて学校で英語指導にあたります。私立学校では、各校の英語教育の特色に合った外国人講師を採用し、質の高いカリキュラムを提供しているケースもあります。

看護

高等学校の看護科では、看護師や助産師として働いた経験のある人が特別免許状を授与されて指導を行うことがあります。

また、特別支援学校の自立活動を指導する教員として看護師が特別免許状を授与されるケースもあります。

情報

令和4年度から高等学校で「情報I」が必修科目になったことを受けて、令和4年度の公立高等学校の特別免許状授与数がかなり増加しました。

政府としても情報科教育の充実のために外部人材を積極的に活用する方針を打ち出しており、IT講座やPC教室講師、IT技術者、情報関連企業の職員などを対象にした育成カリキュラムを作成・周知しています。

特別免許状を授与されて学校で働くまでの流れ

最後に、特別免許状を授与されて学校で働くまでの具体的な流れや授与に際しての要件について解説します。

特別免許状で担当できる教科等

まず、特別免許状で担当できる学校種と教科についてですが、基本的に「小学校、中学校、高等学校における全教科」「特別支援学校における自立教科等(理療、理容、自立活動など)」が対象となります。

必要な手続き

ここでは例として、東京都教育委員会の特別免許状の申請手続きを紹介します。

  1. 任命又は雇用しようとする者の推薦書を添えて、申請書類を提出
  2. 東京都教育委員会が、申請書類に基づき、検定を実施(書類審査)
  3. 学識経験者等からの意見聴取(面接等)

参考:東京都教育委員会「特別免許状」

申請書類は、「担当教科等について有用な知識経験等を有することを証明する書類」「人物に関する証明書」「身体に関する証明書」「住民票」などです。

提出された書類をもとに東京都教育委員会が審査を行い、推薦書の理由が正当で授与候補者に資質があると認められる場合は学識経験者等との面接を行います。学識経験者等とは、教職課程のある大学の学長や学部長などで、面接が難しい場合は教育長が別に定める職員との面接になります。また、すでに臨時教員や非常勤講師として勤務予定校に勤めていて勤務実態が把握されている場合は、面接の代用として書類確認を行うこともあります。

上記の教育職員検定に合格すると、特別免許状の授与され、推薦書を書いてもらった学校に採用となります。

授与に際しての要件

特別免許状の授与に際しての主な要件は、以下の通りです。

(1)教科に関する専門的な知識経験又は技能(①又は②のいずれかに該当すること)

① 学校(学校教育法第1条に規定する学校)又は在外教育施設等において教科に関する授業に携わった経験

② 教科に関する専門分野に関する勤務経験等(企業、外国にある教育施設等におけるもの)

【概ね3年以上】

※令和3年度指針改訂で、オリンピック等国際大会や国際コンクール・展覧会出場者、博士号取得者など、上記の確認基準によらない場合でも授与可能とした。

(2)社会的信望、教員の職務を行うのに必要な熱意と識見

推薦状や志願理由書により確認。

参考:文部科学省「教員資格制度に係る規制・制度の見直しについて」

まとめ

今回は、特別免許状の概要と、令和3年度の教育職員検定の指針改訂のポイント、現在の活用状況、具体的な特別免許状の活用事例と授与までの流れなどについて解説してきました。

特別免許状の取得を検討する際の参考にしていただければ幸いです。

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この記事の監修者

網屋亮介

教員のキャリア支援に特に強みを持つキャリアアドバイザー。年間で数百名の教員とのキャリア面談を実施。学校法人や教育系の事業会社へ多数の転職支援の実績を持つ。教員特有のレジュメ作成、選考対策など教員の転職支援に強み。前職は旅行代理店、教員家系に育ち、2児の父。

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