2025-05-14
「小さい頃からの夢」を追いかけ学習塾へ…元M&Aアドバイザーの転職成功談
大手化学メーカーのM&A案件を担当するアドバイザーとして第一線で活躍していた川井さん。しかし20代後半に差し掛かった時、「本当にやりたいことは何か?」と自問した結果、小さい頃から抱いていた教育への情熱に気づきました。
現在は学習塾の教室長として、タブレットを活用した新しい教育のかたちに挑戦しています。キャリアを大きく転換した川井さんが、今感じる「やりがい」とは?
異色のキャリアチェンジを成功させた川井さんの転職ストーリーを、ぜひご一読ください。
この記事の監修者
Education Career 編集部
教育業界専門の転職エージェント「Education Career」の編集部です。年間で数百名の教育業界出身者の転職やキャリアの支援を行う転職エージェントとして、教育業界での転職活動やキャリアに役立つ記事を更新しています。
目次
M&Aのプロから教育現場へ異色の転職
—自己紹介をお願いします。
初めまして、川井と申します。
前職ではM&Aのアドバイザーとして、大手化学メーカーの事業売却などの支援をしていました。
現在は学習塾に転職し、教室長を務めています。本日はどうぞよろしくお願いします。
—M&Aアドバイザーとはどのような職種か、具体的にご説明をお願いします。
買収相手の候補選定から相手方企業の情報を調べたり、リスク等の調査分析、法務的な手続きまでが主な業務ですね。
買収価格の決定や契約の締結、会社を統合する際のITシステムの構築や、人員整理といった部分のお手伝いを、一気通貫で行います。
—一つの案件を完遂させるまでに、どのくらいの期間がかかるものなのでしょうか。
企業の大きさだったり、売る事業の大きさにもよりますね。
僕が携わっていたのはわりと大手の企業だったので、大体2年から3年ほどかける案件が多かったと思います。小さい企業だと1年くらいのイメージです。
終電まで仕事の日々…M&Aアドバイザー時代の充実感と難しさ
—コンサルティング業務はかなり忙しいイメージがありますが、川井さんはいかがでしたか。
休みが取れる時期は、結構まとまって休めてはいました。しかし、どうしても契約を締結間際の繁忙期などは、朝から終電くらいまで働いていましたね。
—当時どんなところにやりがいを感じていましたか。
僕が入社してすぐに関わった案件が、それが辞める直前にディールがクローズしたというニュースが発表されたんです。
自分が関わったものが日経新聞などに載ってみると、社会に影響を与えたというか「大きいことをやったな」と思えて、非常にやりがいを感じました。
—M&A業務を行っている中で、難しいと感じた点はどんなところですか。
買い手企業の情報を調べる際、現場の方に質問をしに行ったり情報をいただいたりすることがよくありました。
現場の方にはM&Aはまだ悪いイメージがあることも珍しくなく、コミュニケーションはすごく難しかったと思います。
—何年ほど勤務されていたのでしょうか。
新卒から丸2年間勤務しました。
—転職を検討された背景について教えてください。
僕自身が学生時代にアルバイトで塾講師をずっとやっていまして、もともとM&Aと教育にすごく興味があったんです。
20代後半のキャリアを考えた時、「本当にやりたいことって何だろう」と立ち止まって考えてみたら、転職という選択肢が出てきたというイメージですね。
M&Aにも興味はありましたが、大学で勉強しなきゃいけないから勉強していた節があったんです。
対して教育は、数あるバイトの中でも学習塾講師をやりたいと中学生のころから思っていました。自分の内なる衝動というか、小さい時から持っている熱意を尊重して、教育に振り切ってみようと決意したんです。
—中学生から学習塾でのアルバイトに興味があったというのは珍しいですね。
そうですね。高校受験の時に、ほとんど毎日塾にこもって勉強していました。
僕はその塾の先生方に人生の大きな転機をもらったと感じており、自分もそういった大人になりたいという気持ちがありました。
—大手企業から転職することについて、周りからは反対されませんでしたか。
割と反対は少なかったかなと思います。僕のことをよく知っている人は「まあ、だよね」という感じでした。
「本当にやりたいことって何?」20代後半で気づいた教育への情熱
—転職活動を始めた時、一番最初に何をしたか覚えていますか。
転職サイトに登録したのが一番最初だと思います。
新卒の就活時に使っていたサイトの中途採用版みたいなサイトを中心に、スカウト型や広告型など3~4サイトくらい登録しました。
—エージェントも同時並行で活用されたのですか。
いや、最初はスカウト型や求人広告型だけを使っていました。しかし毎日スカウトメールが届いて、少し鬱陶しいなと思ってしまったんです。
そこで、一度転職エージェントの方に求人情報を紹介してもらった方が確実なんじゃないかと考えて、転職エージェントを探し始めました。
—弊社サービス(Education Career)をご利用いただきましたが、他社サービスも利用していましたか?
僕は1社しか使っていませんでした。
コンサル経験者ということで、どうしても次のキャリアも同業で勧められることが多かったんですね。学習塾など教育方面の求人をピンポイントに探すにはEducation Careerが一番僕のニーズに合っていたので、「ここだけ使えばいいや」と思いました。
—担当者からはどんな求人の紹介を受けましたか。
大きく分けて3つありました。
1つ目はいわゆる学習塾、古くから運営されている塾の求人。
2つ目が教育系の商材を営業する求人。
3つ目がEdTech企業など、教育ベンチャー系の求人ですね。
—当時、川井さんの中では「教育に行く」という方向性は決まっていたと思いますが、職種や具体的な業務内容はどのように考えていましたか。
学習塾でアルバイトしていたこともあって、塾の教室長にはすごく興味がありました。子どもたちと直接触れ合えるところを、職種としては選びたいと思っていましたね。
—書類選考に進んだのは、どのような求人でしたか?
学習塾の教室長で2社、EdTech企業で1社、合計3社の選考を進めました。
—3社を受けてみて、選考の印象はいかがでしたか。
学習塾2社は「ザ・学習塾」という感じでした。生徒の合格のための仕事であることや、教室長として関わる面白さをよくお話しいただきました。
一方、EdTech企業は、「自社が持っているプロダクトやサービスで、どう子どもたちの教育を変えていきたいか」という視点でのお話が多かったですね。
「ここしかない」と確信した教育×IT学習塾
—実際に就職を決めた企業のどのような部分に魅力を感じたのでしょうか。
これからの学習塾を考えると、確実にITは使わなきゃいけないと思っていました。
そこを軸にビジネスを作られている企業に非常に共感し、面白さを感じました。
—他の塾との大きな違いは、どの点でしょうか。
生徒へのティーチングが一番の違いです。
現職の学習塾は完全にタブレットで授業を受けて、問題への回答もすべてタブレットで入力していく形態です。すると、生徒の回答データが全部取得できるわけです。
生徒の到達度は普通の塾だと定性情報として扱われるデータですが、当社のすべて定量化して見ていくアプローチが他の塾とは全く違うと感じています。
—エントリーしてから内定に至るまで、期間はどれくらいかかりましたか。
年度末ギリギリのタイミングで応募したという事情もあるとは思いますが、1ヶ月半ほどでオファー承諾まで進められました。
—他の2社はどうされたんでしょうか。最後まで受けられましたか。
1次面接まで受けて、途中で辞退しました。現職の最初の面談で、もうここしかないなと思ってしまって。
—現職の企業としても、M&Aアドバイザリー経験者の採用は初めての事例だったと伺っています。選考で、やはり経歴について質問されましたか。
そうですね。「なんで来たの」という感じで突っ込まれました。
しかしCEOが僕と似たような経歴を歩んでいた方で、最終面接の際に非常に理解を示してくださったんです。「それでも教育をやりたいんですよね」と温かく迎え入れてくれた印象でした。
自分では出会えない「ニッチな求人」も転職エージェント経由でキャッチ
—Education Careerを利用してどう感じましたか?
コンサル業界から教育業界に転職するのは珍しいキャリアだったと思うのですが、僕が欲しかった学習塾や教育企業の情報をしっかりいただけたなと思っています。
特に現職は自分では探せなかったようなニッチな企業でしたので、そういった情報を幅広くいただけたという印象です。
—担当者から受けたサポートで「これは役に立ったな」と思う部分はありますか。
最初の面談の際に「学習塾をやりたい」という希望を伝えていたんですが、学習塾といってもいろいろな種類がありますよね。
そのあたりを深掘りしていただいて、自分の志向ややりたいことに対して「こういう企業はどうですか」とクリティカルに情報をくださったので、とても助かりました。
教育現場は想像以上に熱かった
—現職に入社してからの率直な印象はどうでしたか。
4月に研修先の教室に行った時、同期が30人ぐらいいたんです。
最初に「多くね?」と思って(笑)。
—確かに中途採用の同期が30、40人いるというのは、あまり聞かないかもしれないですね。
そうですよね(笑)。
—入社前に抱いていた印象と、良くも悪くもギャップはありましたか。
代表と面談させていただいた際は、コンサルチックというか、ロジカルに考えて効率的に子どもたちの学習体験を変えていきそうだという印象が強かったんです。
でも実際に入社してみると、いい意味でもっとウエットというか、ザ・学習塾のような会社から来ている方も多いし、教員をやっていた方もたくさんいて、自分が思っている以上に教育畑の方が多いんだなと感じました。
話してみると、本当にそういう色が強い会社なんだなという印象です。
—率直に転職して良かったなと感じるのは、どんなところでしょうか。
やりたかった学習塾業界のど真ん中で、それにテクノロジーを掛け合わせて業務を行えているというのは、やりたいことを実現できている充実感があります。
もしあのまま前職で3年目を迎えていたら、やることは大きく変わらなかったと思うんです。でも今の転職を通じて本当にやりたいことに出会えたので、とても良かったなと感じています。
—教室長となると、学生の指導や進路指導、保護者対応などが中心ですか?
そうですね。タブレットで学習データをすべて取っているので、データを分析しながら子どもたちに「次はこういう勉強をしようね」とか「こういう風にやるといいよ」とフィードバックしています。
—塾によってはアルバイトスタッフが多いケースもありますが、現職では川井さんご自身が直接学生を指導する割合も大きい感じですか。
はい、全員とコミュニケーションを取っています。
いわゆる個別指導塾のように担当の先生が決まっているというより僕 対 生徒全員という形で向き合うスタイルですね。
—前職のM&A業務と比べると、クライアントとの距離がかなり近いですよね。
クライアントが企業の偉い方から子どもに変わったのが、もっとも大きなギャップです。しかし、子どもたちと直接関わることにすごくやりがいを感じています。
やりたいことを掘り下げて納得できるキャリアチェンジを実現
—活動全体を通じて、大変だったことはありましたか。
選考自体はわりとスムーズに進んだと思っていますが、最後の意思決定の部分はすごく悩みました。やはり今までとは全然違うキャリアを歩むことになりますからね。
周りは応援してくれましたし、前職も気持ちよく送り出してくれましたが、本当にこっちに舵を切っていいのかと自分で悩みましたね。
—振り返ってみて「これはやって良かった」「これは正直やらなくて良かったかも」というものはありますか。
やって良かったと思うのは、意思決定のタイミングでもう一度「自分は何をしたいのか」を深掘りして、内省をしっかり行ったことです。結果的に「この決断は正しい」と肯定できる気持ちを持てました。
逆に「これはやらなくても良かったかも」というのは、転職サイトに4~5個ほど手当たり次第に登録してしまったことですね。
自分の進みたい道がある程度はっきりしていたのなら、最適なサイトやエージェントに絞ってアクセスすべきだったと思います。少し遠回りをした気がしています。
—改めて、転職するときに転職エージェントを使うかどうかというのは意見が分かれるところでもあります。川井さんとしてはどうお考えでしょうか。
フェーズによるとは思いますが、自分がやりたいことや方向性がある程度絞れているのであれば、エージェントからニッチな企業情報を得るなどのメリットは大きいと思います。
情報収集の手段としては、やはりしっかり使った方がいいのではないでしょうか。
本記事の内容は動画でもご視聴いただけます
前編:M&Aアドバイザリーから教育業界のスタートアップへ転職
後編:コンサルから教育系スタートアップへ転職|理想の求人を見つけた方法
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